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【教研】2006/08/17
「未来をひらく教育のつどい2006」代表委員あいさつ
2006年 8月17日 代表委員 石元 巌
全国からお集まりのみなさん、こんにちは!「教育のつどい2006」へ、ようこそ!
1951年の第1回教研大会以来の歴史と伝統を受けつぎ、さらに父母・国民に開かれた共同の教育研究集会として新たな前進と発展の道を歩んできている「教育のつどい2006」に、こんなにもたくさんの人々が集まっていただいたことを、共に喜び合いたいと思います。参加された多くの父母・市民、働く仲間のみなさん、教職員のみなさん、そして子どもたちを心から歓迎いたします。4日間大いに学び合いましょう。
実行委員会代表委員は、堀尾輝久民主教育研究所代表運営委員、高田公子子ども全国センター代表委員・新日本婦人の会会長、広木克行共同研究者代表、そして、私、全教中央執行委員長の石元です。ご紹介申し上げます。
私は、まず冒頭に、様々な妨害をのりこえ、会場確保をはじめ「教育のつどい2006」の内容を共につくりあげてきた現地・埼玉実行委員会をはじめ、関係者のみなさんに心から感謝の気持ちを表明するものです。ここで全国実行委員、埼玉実行委員、賛同団体のみなさんをご紹介します。みなさんご起立下さい。(起立)ありがとうございました。みなさん方の努力に応えて「教育のつどい2006」を大きく成功させようではありませんか。
さて、開会にあたり私は2つのことを申し上げたいと思います。
その第1は、「教育のつどい2006」を「教育基本法教研」としてみんなで成功させよう、ということです。
本集会は、先の通常国会で、戦後はじめて、教育基本法改悪法案が国会に提出され、激しい論戦が行われるとともに、地域、草の根から教育基本法改悪を許さない父母・国民、教職員共同の運動がくりひろげられ、大きな国民的世論の高まりのなかで、政府・与党に通常国会での成立を断念させ、継続審議とさせたもとで開催されています。
国会論戦をとおして、改悪法案が、内心の自由を乱暴にふみにじり憲法第19条にそむくものであるということ、国家の教育への介入に歯止めがなく、時の政府の思うままに教育を支配できる仕組みをつくるものであるということ、この2つの大問題が明らかになりました。そしてそれは、教育基本法改悪のねらいが、憲法9条改悪と一体の「戦争する国」の人づくりにあり、これを含め、時の政府の政策に従う子どもと国民をつくろうとするものであることを浮き彫りにしました。
一昨日の終戦記念日に、かつて日本が起こした侵略戦争を「正義の戦争」と描き出し、宣伝する靖国神社に小泉首相が参拝し、国内外で大問題となっていますが、教育基本法改悪は、こうした動きと軌を一にするものです。私は、教育基本法改悪を断じてゆるさない、という立場から、父母・国民のみなさんとともに、小泉首相の靖国参拝に厳しく抗議するものです。
このもとで、「教育のつどい2006」は、「憲法・教育基本法・子どもの権利条約にもとづく教育を」というテーマを正面からかかげて開催しています。この「つどい」を大きく成功させることそれ自体が、教育基本法改悪法案の成立を許さない国民世論を励まし、さらに共同を広げる大きな力となります。同時に、ここに集まったみんなで、子どもと教育についての討論を展開することそのものが「未完のプロジェクト」といわれる教育基本法を未来に向けてさらに豊かに発展させる、大切ないとなみです。この2つの意味を持つ本集会は、文字どおり「教育基本法教研」とも言うべき歴史的な意義を持つ集会です。4日間の研究、討論をとおして、教育基本法の大切さを確かめ合い、その値打ちを光り輝かせようではありませんか。
第2は、「いっそう父母・国民に開かれた教研」のもとで、子どもと教育についての国民的討論を大いにすすめよう、ということです。
相次ぐ「少年事件」や幼い子どもの命が奪われる事件に心が痛みます。人の命を軽んじ、人を人として大切にしない社会的風潮を何とかしなければ、という思いに駆られます。また、「格差社会」が大きな社会問題となり、子どもたちの成長・発達の権利、学習する権利まで奪う深刻な事態となっています。これらの根っこに「構造改革」路線があり、もはや教育問題は、世の中をどうするか、という問題に突き当たらざるを得ない状況となっています。子どもたちをここまで追いつめている教育のあり方、社会のあり方、そして人を人として大切にしない社会的風潮を根本から問い直し、私たち国民の力で教育と世の中をつくっていく展望をきりひらきましょう。
同時に、子どもたちは、平和の問題、社会の問題、学校や教育の問題について積極的に発言し、行動してきています。その力をもっと伸ばすためにも子どもの意見表明を尊重し、子どもの願いや意見をきき、教職員・父母が力を合わせた学校づくりと、地域からの共同の教育研究活動が今ほど望まれる時はありません。各地ですすむ「参加と共同の学校づくり」などのとりくみをもっと発展させましょう。そして子どもと教育をめぐる困難の打開へ向けて大討論を繰り広げようではありませんか。その国民的討論をとおして、子どもを競争に駆り立て、追いつめ、教育にまで「格差づくり」を押し広げる文部科学省の「教育の『構造改革』路線」の問題点をうきぼりにしましょう。同時に、私たち自身が、教育基本法にもとづくとりくみをすすめてきたかどうか、についての検証もふくめ、教育と教育基本法について、あらためて話し合い、考えあいましょう。そこには、必ず教育基本法の値打ちの再発見があるはずです。そうした国民的討論を前進させるために、「教育のつどい2006」では、昨年度築いた重要な到達点をふまえ、「教育フォーラム」を再び開催します。多くのみなさんの参加を心から呼びかけるものです。
子どもの困難を打開し、そのすこやかな成長・発達を保障したい、という私たちみんなの願いを一つにむすびあわせ、憲法・教育基本法を守り生かすとりくみにつなげましょう。
最後になりましたが、昨年度に引き続き、韓国全教組から、キム・ヘギョン真の教育実践推進局長が、北東アジアの平和と子どもたちの未来への願い、私たちの「つどい」への熱い連帯の思いをこめて本集会に参加されていることを、心からの歓迎の意をこめてご報告申し上げます。
4日間の充実した研究、討論、交流を心から期待し、私たち参加者みんなの力でこの「つどい」を成功させることを共に誓い合って挨拶とし、ここに「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2006―」の開会を宣言します。
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