【行動】2006/07/12
教育基本法改悪法案を廃案に 8・26学習決起集会を開催!【講演2】
【講演2】五十嵐 仁 法政大学大原社会問題研究所教授
教基法「改正」のねらいは「戦争する人づくり」
憲法と教育基本法の「改正」がこの時期、同時にねらわれているのはなぜでしょうか。その一つはアメリカが引き起こす戦争のために、いのちを投げ出す青年をつくることにあります。
今日における憲法の改悪動向は、これまでとは異なっています。改憲草案の作成、改憲手続き案の国会上程など改憲作業が具体的に進行し、また国民の意識も変化しています。
共謀罪の新設、防衛庁の省への格上げの検討、在日米軍基地再編と日米軍事の一体化の仕上げなどもすすんでいます。安倍晋三氏は憲法「改正」を4、5年以内といっていますが、それは日米軍事一体化完結の想定期間と重なっています。
教育基本法の「改正」のねらいは何でしょうか。政府の教育基本法「改正」案第2条〔教育の目標〕5項は、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」となっています。この文章は、04年11月に自民党憲法調査会が発表した「憲法改正草案大綱(たたき台)」の文章、「我が国の歴史・伝統・文化を尊重し、郷土と国を愛し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を涵養する」とそっくりです。
「国際社会の平和と発展に寄与する態度」とは何でしょうか。これは「国際社会の平和と発展への寄与」を口実にした、武力行使を伴う活動を含む海外での国際貢献活動に、すすんで参加する「態度」です。このことは憲法「改正」と教育基本法「改正」が一体であり、そして国外での戦争に「寄与する態度」を培うことを教育に求めていることを示しています。
自民党・次期首相による「小泉亜流」政権は小泉政権より質が悪いものになると思います。小泉首相は、「先の戦争は誤った戦争」と認めていましたが、安倍氏は「判断は歴史家に任せたい」と犯罪性を認めようとしません。
教育論でも戦後型の民主主義教育ではなく、戦前型の国家主義教育の「再生」を志向しています。国の監査官などによる「学校評価制度」を導入し、問題校は文部科学省が教職員を入れ替えたり、学校を民営化できるようにすることも考えています。キーワードは、「強制的な教職員の入れ替え」です。
安倍氏にしても麻生氏にしても秋の臨時国会での教育基本法の「改正」をめざしています。
教育基本法の「改正」を許さず、アメリカの「傭兵」として、「教え子をふたたび戦場に送らない」ように、たたかいを大きく広げようではありませんか。
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