【行動】2006/10/14
10・14教育基本法改悪反対大集会(東京・明治公園)に2万7000人!【リレースピーチ】
【リレースピーチ� 曄‖�藤 統一郎 「国歌斉唱義務不在確認等請求訴訟」弁護団・弁護士
予防訴訟弁護団の副団長を勤めています。弁護士になって36年目。時々良い思いをします。9月21日には、「本当に弁護士をやっていて良かった」、弁護士冥利に尽きる判決が出たと思います。ただ、これは弁護士が勝ち取ったというようなものではない。401人の都立高校の先生方が文字通り勝ち取ったものだと思います。私は、この良い判決を勝ち取った理由が2つあると思います。
1つは、401人の先生方が「国旗」「国歌」に反対せざるを得ないのかという、教育実践と結びついた真面目さ、誠実さが裁判所の心を捉えたことです。私は裁判所にいてそれを実感しております。
もう一つは、東京都のあまりにひどい、裁判長が「これはやりすぎだ」「いくらなんでも法律家の常識から逸脱している」ということを考えざるを得なかったということです。明らかに今の東京都の教育行政は暴走しています。憲法もない。教育基本法もない。いわば教育基本法改悪を先取りしている実態が見ることができます。
その中心にいる石原都知事は全都立校長を集めた席で、「いま首をすくめて東京を眺めている近県も5年経てば東京を真似するようになるだろう。それが東京から全国を変えるということだ」とこう公言しています。
私たちは、こういう事態を許すことができない。401人の方が原告ですけれども、その裏には、その背景にはもっとたくさんの、おそらくほぼ全員の先生方の思いが込められている。私はそう信じて疑いません。
その先生方が訴えた裁判をほぼ全面的に判決は受け止めました。簡単に要約します。�狢感伴阿覆匹亮暗飢饐譴砲�いて国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務のないことを確認する�瓩海譴�主文です。それから�猊垉�立、不斉唱、ピアノ伴奏拒否を理由とする一切の処分をしてはならない�瓩箸いΔ里蘯臺犬任后�
そうして私たちの請求の通りに、立つべきか立たざるべきか苦しい立場に追い込まれた401人全員に1人、3万円ずつの慰謝料を認めました。理由の中にはっきり言われていることは、�犒�法19条の思想・良心の自由に東京都は違反した命令を出している�瓩修譴�ら�爐海ΔいΔぬ仁瓩暴召Φ遡海呂覆き甅狹豕�都の「10・23通達」といわれるものは、教育基本法第10条1項に違反して違法無効である�瓩箸いΔ海箸任后�
先ほど志位委員長からも詳細なお話がありましたが、私が一言付け加えるとすれば、確かに憲法が大本です。しかし、この判決も教育基本法がまだ生きている。まだ私たちの武器として使えるということを示しました。憲法が変えられなくとも、教育基本法が変えられてしまいますと、こういう判決を得ることが難しくなってきてしまいます。つまり、教育基本法改悪先取りの実態には、私たちは教育基本法を武器にたたかうことができる。
いま教育基本法という武器を取り上げられられようとしているのが、いまこの問題だと思います。教育基本法という大事な私たちの武器を守り抜こうではありませんか。
【リレースピーチ�◆曄‖臘� 健一 日本キリスト教協議会前総幹事
みなさんこんにちは。私はキリスト教の立場から、教育基本法の関係の中で宗教の問題について、一言いいたいと思います。
ご存知のように、「愛国心」教育が教育基本法の改悪の大きな問題点になっています。その中で特定の宗教を利用しようとする意図がうかがえます。その意図に対して私たちは反対であるということをはっきりと申し上げたいと思います。
教育基本法第9条の中に宗教教育とあるのはご存知だと思います。宗教を教育基本法の特に「愛国心」教育に利用しようとする意図が改悪の中にある。
みなさんご存知のように、日本の首相は堂々と靖国神社に参拝して、「何が悪い」というようなことを言っております。これは憲法第20条から見ますと信教の自由、あるいは政教分離の原則に違反しています。国家が特定の宗教に対して介入していく、そういう意図があります。
教育基本法の改悪の中でも国家が特定の宗教を利用する。命の問題とか、人間が生きるために大切なことを教えるのは宗教の役割ではないか、ということが言われます。私たちは、そのことの大切さを認めますが、しかし、そのことを言いながらその背後では特定の宗教をこの教育基本法の改悪の中で利用とする意図があちこちに見受けられる、その点をぜひみなさん方に訴え、またみなさんがたの理解もお願いしたいと思います。
そういう観点から教育基本法の改悪に反対するあり方を、もちろん教職員の方々や、あるいは労働者のみなさん、市民のみなさん、宗教者もともにこのたたかいをしていく必要があると思います。みなさんとご一緒に歩んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします。
【リレースピーチ��】 中田 郁乃 千葉・小学校・教職員(全教千葉青年部)
こんにちは。私は千葉県の小学校で4年生を担任しています
子どもは、友だちと関わり合いを楽しみながら、毎日新しいことを学ぼうと、一生懸命です。先日は、国語で「ひとつの花」という物語を学習しました。「ひとつの花」は戦争を題材にした物語ですが、学習した後の感想で、子どもたちは全員が「戦争は怖い」「戦争はいやだ」といった感想を書いていました。
特に、ある女の子は「戦争は、絶対にやらないでください。人が死んでいくのがいやだからです。世界中の戦争がなくなってほしいです」と書き、ある男の子は、「戦争なんか人がいっぱい死んで何もいいことがないので絶対にやめたほうがいいと思います。僕たちは戦争の時代に生まれなくて良かったと思います。日本が60年も戦争をしていなくて良かったと思いました」と書いていました。
憲法・教育基本法を改悪すれば、戦争ができる国をつくり、戦争をする人をつくっていく教育を、私たちが子どもたちに強制しなければならなくなります。
子どもたちが希望を持ち、将来の夢を生き生きと語ることができる未来をつくるために、私は教育基本法の改悪に断固反対します。ともにがんばりましょう。
【リレースピーチ�ぁ曄〇垓� 博 障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会事務局長
障害者基本法「改正」は、障害者の生活をひっくり返しています。一生懸命不自由な身体を動かし、働いても5000円しか賃金をくれない作業所に通うのに、なぜ2万円もの利用料を払わなければならないのでしょうか。在宅障害者は利用料があがるのが怖くってホームヘルパーを派遣してもらうのを半分にしました。
こんな生活を僕は、30年も40年も戻ったような気がします。40年前、障害を持った子どもたちは、学校にいけませんでした。桜の花が咲く下で、ランドセルを背負った小学生を見るたびに、障害児の子どもを持ったお母さんは布団をかぶって泣いていました。
そういう中で、私たちは教育基本法を背景にして、障害児の全員入学を勝ち取りました。障害児教育は権利だということを本当に僕もあらためて学びました。そして、お母さんたちの運動が障害児学校を増やし、先生を増やし、スクールバスを増やしていきました。
しかし、今日の障害児教育は、石原都制の下で攻撃がかけられています。障害児の性教育に対して、不当な介入をしました。子どもたち主体の卒業式に対して、プログラムの変更を大きくしていきました。こんな介入と障害児教育の予算を減らすことを絶対に許すことはできません。
私たちは教育基本法を後ろ盾に、そして憲法を後ろ盾に、みなさんと一緒に運動を続け、障害者も、子どもたちも、本当に愛せるような国づくりをみんなと一緒にやっていきたいと思います。がんばりましょう。
【リレースピーチ�ァ曄‘K� 雅英 京都教職員組合執行委員長
みなさん。憲法・教育基本法の改悪、そして教育改革を最大の売りにする安倍首相の登場は、京都の私たちの運動をさらに加速させています。
文科大臣の伊吹文明氏、副大臣の池坊保子氏はいずれも京都出身であります。「教育再生会議」には、京都市の教育長を呼びました。これらもまた、京都の運動に火をつけています。いま、京都のほとんどの行政区・市町村に地域9条の会とともに、教育ネットワークづくりがすすめられています。すべての地域で集会やシンポが行われます。中学校区、小学校区レベルでも教育懇談会が府内各地ですすんでいます。
�燹屮丱Ε船磧次廚箸浪燭��甅牾惺餐�択で自分の子どもと学校はどうなるのか�瓩気蕕法↓爐海譴�らの日本はどうなるのか�瓩覆鼻△泙気冒陲虜�からの共同・対話をすすめています。それは、文字通り教育を私たちの手に取り戻すたたかいのカギです。いまその流れを太く大きくする絶好のチャンスだと思います。
9月以降、500人にものぼる宗教者・研究者、文化人などから、私たちの共同のアピールに賛同の声が多く寄せられています。あの京都の清水寺の森清範管主は、「愛というものを法律で押しつけるとは何事か」と怒りの声をあげられています。金閣寺の住職である有馬頼底氏は、地域の集会で「憲法9条を世界に発信すべきだ」と呼びかけられました。
職場・地域・草の根からの運動が広がれば、必ず教育基本法改悪法案を廃案に追い込める。私たちの確信です。11月3日には、京都でも府民大集会を予定しています。京都も総力をあげてたたかう決意を申し上げまして、決意表明にかえたいと思います。がんばりましょう。
【リレースピーチ�Α曄ゝ叛� 陽子 東京・小学校・教職員(都教組)
こんにちは。いま小学校2年生の担任をしています。
2年生は、そろそろ掛け算九九の勉強がはじまります。子どもたちにとって、一番の難関は7の段と8の段がだいたいのところです。7・7・49とか8・7・56とか、ちょっとごちゃごちゃになってしまう子も時にはいます。そんな時に教師はなんと言ってあげたらいいのでしょうか。
もし、教育基本法が変えられてしまったら――「君はどうやら算数が苦手のようだから、7の段から覚えなくてもいいよ」「どうせ将来はフリーターだろう」と、そんな調子で一人の人間の可能性を決めつけてしまったら、本当に豊かな人間が育つでしょうか。
どんな仕事につくとしても、知識や教養、考える力、表現力がありすぎて困るなんてことはないはずです。いまの教育基本法が守られて、生かされれば、私たちはこう言ってあげられることができます。――
「5の段も6の段もできるようになったんだから、7の段も8の段だってできるようになるよ」「時間がかかってもいいから先生と一緒にがんばろう。友だちと一緒にがんばろうよ」
いまの教育基本法の第3条にある「能力に応ずる教育」というのは、その子に合った教育方法で教えてあげることができる、そういう意味だと私は思っています。
もし教育基本法が変えられてしまったら、人によって教育内容が違ってもいいという意味になってしまいそうです。
「君はいつも60点しか取れないし、無理して、あんまり勉強しなくていいよ。ただし愛国心だけはしっかり持っていてね。命を投げ出してもいいくらいにね。それと身体だけは鍛えておいてね」
こうなると教育基本法は、学校の中だけの問題ではありません。人を人材として振り分けていく教育ではなく、人間として育てていく教育をみなさんの力で、私たちにさせてください。
そして、どの子にも自分の生き方を決める権利があります。「愛国心」(愛)というものは自由なものだと私たちは思っています。歌を歌ったから愛している証拠だとか、歌わなかったから、愛していないとか決めつけられたくありません。日本という国のどんなところをどう愛するかは私たちの自由です。
私は最後にこう叫びたいのです。「愛国心」(愛)は自由だ。ありがとうございました。
【リレースピーチ�А曄〆筌硫� 征稔 三多摩労連教育闘争本部
4年半前の2002年。三多摩労連教育闘争本部を立ちあげました。教職員を中心にしながらも事務局長には東京土建西多摩支部の委員長が就任するなど、文字通り教職員と民間労働者が一体となって発足しました。
東京三多摩地域26市3町1村での宣伝や集会にとりくみながら、昨年、教育基本法の大切な中身を広く知ってもらうために、三多摩30自治体の約170万世帯の過半数である100万枚の宣伝行動を計画し、これを見事に成功させました。
現在、国会での審議が緊迫する中で、三多摩3万カ所でのハンドマイク宣伝と3万枚のポスターの貼り出しなどにとりくんでいます。
9月2日、国分寺市の行動をスタートし、9月16日には、西多摩地域において97人が参加して、終日行動がとりくまれるなど、連日のように各市町村の路地裏にハンドマイクの声が鳴り響いています。
こうした中でこれまで一度もポスターを貼り出してもらえなかった家々が快く貼り出しに応じてくれるなど、教育を守る世論は確実に広まっています。こうした行動は、教職員組合と三多摩16の地域労連・地区労を中心に東京土建やJMIU、福祉保育労、東京医労連、年金者組合など民間の労働者、また弁護士や市民の方など広範な人々と共同してたたかわれています。
これまで「地域に出てこない」と言われ続けてきた教職員組合の組合員が次々と行動に立ち上がり、中には1人で3000枚ものビラを配布したという教職員もあらわれ、行動全体を大きく勇気づけています。
来週18日には、教育基本法改悪阻止の一点で都教組、東京教組など所属の違いを乗り越えて、三多摩数十駅党での共同宣伝行動が計画されています。戦争への道につながる教育基本法改悪を東京三多摩の地から阻止する大運動を引き続き繰り広げてまいります。
【リレースピーチ�─曄〆患彜� 千絵 新日本婦人の会 八王子支部事務局長
みなさん、こんにちは。小5、小2、年長さんの3人の母です。いま、娘のランドセルを選んでいます。ピカピカの1年生のランドセルに「愛国心」と「徳目」を詰め込むのは絶対に嫌です。
東京は、教育基本法改悪の走りです。私の子どもの周りに起こっていることを聞いてください。
お兄ちゃんの算数の習熟別の参観日はとてもビミョウです。「良いクラス」の子は、「下のクラス」を「あほクラス」とかげで呼び、親たちも本当に「これがわが子のためになっているのか」と首を傾げています。
小2の子どものクラスでは、先生が「あいさつチャンピオンを決めよう」と言い出しました。クラスの子どもたちみんなであいさつした数でポイントを貯めていきます。子ども同士であいさつすると1点、相手が大人だと2点、校長先生だと3点、とてもバカバカしいですけれども、これがもし「徳目」でやられたら、「愛国心」が基準だったらと思うと、ゾッとします。
子どもたちはサッカーを習っているのですが、このところJリーグジャパンのレプリカの帽子を被ってくる子が増えてきました。大きく日の丸が付いています。こんなふうに慣らしていくんだなと思っています。
上の子どもは、サッカーのコーチに「そんなにメシ食うのが遅くちゃ、これから戦争なんだから、一発で弾に当たるよ」と言われました。コーチは自治体の職員で、折りしも八王子では、国民保護計画を策定していたところなので、私は笑えませんでした。
こんなふうに子どもの周りは戦争前夜です。しかし、子どもを戦争にやらない世の中にするのは私たち母親の責任です。教育基本法にこそ花束を。ともにがんばりましょう。
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