【行動】2006/11/29
教育基本法改悪法案の強行を許すな11・29中央集会に2500人!【連帯あいさつ� �
【連帯あいさつ】岡本 厚 「世界」編集長、教育と文化を世界にひらく会(事務局)
雑誌「世界」では中教審に教育基本法の改正が諮問された2002年当時から、この問題のキャンペーンを続けてきました。教育基本法の改定は単に法律をどう変えるかという問題ではなく、日本社会の背骨の変更にかかわる重要な問題としてとりあげてきました。
現在教育基本法の改定にかかわり、ジャーナリズムの責任は大変大きいと思います。今日、11月29日のある新聞の一面では、「教育基本法 改正案成立へ」という世論誘導的な見出しをかかげています。地方紙では教育基本法の内容にかかわる議論や批判でがんばっていますが、中央紙の多くは今国会で成立するかどうかなどという取り上げ方にとどまっています。教育基本法が改正されると、教育現場は荒廃をしていくことになると思います。こうした教育基本法をかえるとどうなるのかという問題が国民的に明らかになっていない責任の多くはジャーナリズムにあると思います。
明らかにされない教育基本法改定理由
私は教育基本法の改定案には3つの大きな問題があると思います。その第1は政府・自民党は、「なぜ教育基本法を変える必要があるのか。改正すれば今の学校教育が抱えている問題が解決するのか」という問いに、いまだにまともに答えてないということです。市川昭午さんという中教審の委員が、「改正理由に納得すれば変えてはいけないとはいわない。その理由を説明して欲しい」と質問すると、シーンとしてしまって、最後にある文部次官が最後に「改正する理由がなくても、改正してもいいでしょう」と答えたということです。
第2点は、戦前の「国家による教育」を転換して、「国民の権利としての教育」を定めた現行の教育基本法の理念を投げ捨てようとすることです。国民主権、民主主義を第一の原則に掲げた現在の日本国憲法のもとでは、現行の教育基本法以外のものはありえないと考えています。
第3点は、不当な支配の排除を定めた現行の考え方をまったくひっくり返し、ほかの法律でさだめれば国家が教育を官僚的に統制できる道を開くことになるという問題です。11月28日の参院教育基本法特別委員会で伊吹文科大臣は、「地域社会、教師、家庭をこの改正案の目標にしたがって変えたい」とまでいっています。教育基本法の改正が地域社会や家庭にまで踏み込もうとするもので、絶対に許されません。
徹頭徹尾「やらせ」教育基本法改定経過
今タウンミーティングでの「やらせ」が問題になっていますが、教育基本法の改正論議から改正案の提出までがすべて、国・文部科学省による「やらせ」、自作自演の連続だったと思います。
教育改革国民会議の審議でも、3分の2の委員は「教育基本法の改正は必要ない」という意見でした。それを強引に国民会議の報告の中に「改正」をいれたという証言があります。中教審では改正理由をただしても、まともな説明ができずに終わっています。
また中教審の諮問の中に、「教育改革国民会議の報告を尊重して答申してくれ」との文言が入っていて、もともとやらせでした。中教審への諮問側の文部科学事務次官が、なんと答申の時には答申側の席にいました。教育基本法の改定は徹頭徹尾やらせであり、国民はだれもその改定を望んでいません。
いまこそ「国民の不断の努力」発揮を
教育基本法の改正は事実上の改憲だと考えています。この事実上の改憲が「やらせ」の連続、空虚な国会答弁、与党単独の強行採決でおこなわれていいのでしょうか。日本国憲法は内心の自由、表現の自由など国民の自由や基本的な人権を保障しています。そして憲法21条は、「憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とのべています。教育基本法の改定=実質的な改憲がされようとしている今こそ、「国民の不断の努力」を発揮すべきときではないでしょうか。
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