【行動】2006/11/29
教育基本法改悪法案の強行を許すな11・29中央集会に2500人!【連帯あいさつ�◆�
【連帯あいさつ】津田 玄児 教育基本法全国ネットワーク代表・弁護士
こんばんは。ご紹介いただきました津田です。私は弁護士です。
実は先ほどもここでご紹介がありましたけれども、日本弁護士連合会はこの教育基本法の「改正」に反対をしています。
日弁連というのは全国の団体ですけれども、それだけではなく全国の各都道府県に弁護士会があり、52あるのですけれども、そのうち42会がこの教育基本法の「改正」に反対しています。そういう決意なり、それから会長声明などを発表しています。こういう状況なっています。
現在、弁護士会は全体としてこの教育基本法の「改正」を許してはいけない、ということで全国でリレー討論等を行いながら、みなさんに訴えかけている。そういうとりくみをみなさんと一緒にすすめている。そういう立場に立ってやってきています。
それで、私たちがどうしてこのことに反対するのかというということですが、先ほど岡本さんからもお話がありましたように、国会で議論されてきながら、いまだにどうして「改正」しなければいけないのかという問題がはっきりしないんです。はっきりしない「改正」を、私どもはやってはいけないと考えているんです。
理由がはっきりしないというだけではありません。実はこの改正を行った場合には、私たちあるいは私たちの子どもたちがもっとも大きいなダメージを受ける。たいへんなダメージを受けるだろうということが予想されるということが、もう一つの反対の理由です。
子どもたちの問題について言いますと、これも先ほど岡本さんがお触れになりましたけれども、この教育基本法は一人ひとりの子どもたちの育ちを大切にして、ということを基本にしていると私どもは思っています。戦時中は命を捧げなさいと戦争に子どもを駆り出し、侵略戦争に奉仕をしたという歴史を持っているわけです。戦後のこの教育基本法が一人ひとりの子どもたちを大切にするということは、人材として子どもたちを見てはいけない、一人ひとりの子どもたちを大切にする、それを基本にしようということからスタートしたのではないかと思います。
その基本がいま揺らごうとしている。そしてまた人材としての教育法に変わろうとしている。そのこと自体が私たち法律家としては絶対許してはいけないと思っています。
先ほどもありましたけれども、現在マスメディアではいじめで自殺をする子ども、そして親が子どもを殺すという虐待の問題が連日のように報道されています。子どもたちを大切にしていくという理念は本当に大切なものであって、この法制、理念があることによって、そうした自体が少しなりとも悪化することを防いできたと私どもは思っています。
そういう事態の中で、一人ひとりの子どもを大切にするということが取り去ろうとされている訳です。教育基本法だけではありません。同じ国会に少年法「改正」という法案が出されています。これも一人ひとりの子どもを大切にするという原点に立った法制ですけれども、その一人ひとりの子どもを大切にするという心を変えてしまう、悪いことをする子どもは処罰をするという方向に変えていこうとする。そういう方向を目指している。
子どもの育ちを大切にする基本的な法制の中で2つとも、一人ひとりの子どもを大切にするという視点を無くしていくという、方向がすすめられている訳です。
この結果どうなるんでしょうか。いじめの問題、虐待の問題、それを止める歯止めになっている法制が崩壊するということになりますと、子どもは一体どうなるのでしょう。そのこと自体を私たちは許してはならないと考えています。
次に、教育基本法は「不当な支配に屈することなく、国民全体に対して直接責任を負う」、こういうことが教育の役割だと言っています。しかし、今回の「改正」が国家的支配の法制に変えていこうということが基本にある。許せない問題だと思っています。
国家的支配の法制に変えるということは、戦争中の国家が何をしたかを思い出せば十分に分かることだと思います。現在、政党選択は大丈夫だと言われたとしましても、政党政治は多数政治ですから、いつも変わっていくわけですね。変わる都度、その変わった多数が支配をし、教育を変えていく、こういう事態になってしまったらいったいどうなってしまうのでしょうか。
教育というのは、立憲的な憲法を補うような役割を果たすものです。そこを大切にするために教育基本法の10条というのはあったんです。その部分を変えてしまって国家的な支配を許そうという、こういう「改正」に対しては私たちは絶対に賛成することはできないと思っています。
このことをもし許したとすると、国家自体の、私たちの足元にある平和であり、民主主義であり、人権であり、とこういう基本的な問題そのものが音を立てて崩れていくのではないか、こういうふうに思っています。
従って私たち弁護士はこの「改正」に絶対に反対です。この「改正」案が廃案になるように、いま弁護士会も全力をあげてとりくんでおります。みなさんとご一緒にがんばりたいという決意を表明してごあいさつに代えたいと思います。
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