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香川県教職員組合:『教育基本法改悪法案の強行採決に対する香教組声明』

2006年12月15日 香川県教職員組合(香川県教組)

 自民・公明の与党は、12月15日、教育基本法改悪法案を強行採決しました。法案の廃案、慎重審議を求める圧倒的多数の国民の声、教育現場の声を無視したこの歴史的暴挙に、香教組は満身の怒りをこめて強く抗議するものです。
 
 教育基本法改悪法案が子どもたちの「内心の自由」の侵害や、時の政府による教育への歯止めなき介入など、日本国憲法の諸原則に反する重大な問題点を持つものであり、そのねらいは、改憲を教育分野で先取りして9条改悪と一体の戦争する国の「人づくり」をすすめることや財界の求めに応じて「競争と格差の教育」を一層推進することです。このことは「自民党新憲法草案との整合をはかる」と述べた伊吹文科大臣の発言からも明らかです。
 
 そのような本質を隠し、改悪を強行するために、政府・文科省が「やらせ」のタウンミーティングで「世論の偽造」を行っていたのであり、このこと自体が政府の法案提出資格を根本から問う大問題でした。さらに、これに加えて、臨時国会開会後に重大化した子どもたちの「いじめ・自殺」問題や必修科目の未履修問題は、今日の教育のあり方を根本から検討すべき問題でした。これらの重大問題を、未解明あるいはなおざりにしたまま、「教育の憲法」である教育基本法の改悪を強行したことは断じて許されません。
 
 この間集約された教育基本法改悪反対の署名は、全国で312万筆を数えました。10月28日に450名が結集した香川での「教育基本法を守ろう香川県民大集会」をはじめ全国各地でこれまでにない規模での集会が開催されました。その中で、組合所属の違いを超えた教職員の共同が各地で前進しました。また、教職員組合と他の労働組合、民主団体、市民団体との共同も大きく広がりました。  
 
 さらに、日本教育学会の歴代会長声明をはじめ、圧倒的多数の教育研究者が立ち上がりました。日本弁護士連合会の声明など、法律の専門家も立ち上がりました。衆参両議院の教育基本法に関する特別委員会参考人、中央・地方公聴会公述人による異例のアピールも発せられました。それは、政府与党の国会審議に対する態度は「国民に対する冒涜であり、日本の恥」というきわめて厳しいものでした。また、多くの校長や元校長、教育長も教職に従事する者の良心にかけて反対、ないしは慎重審議の意見表明を行いました。  
 
 このように、教育基本法改悪を許さないたたかいは戦後の教育史や教育運動史上、特筆すべき重要な国民的到達点を築いたといえます。香教組はこれまで署名活動をはじ、自治体キャラバン、香川高教組など諸団体と共同した集会の開催や街頭宣伝活動、2度にわたる新聞意見広告やラジオスポットのとりくみ、県選出国会議員への要請ハガキ作戦などを展開し、香川における教育基本法改悪を阻止する運動の先頭に立ってきました。    
 
 私たちは改悪教育基本法の廃棄を展望しつつ、この悪法の具体化をゆるさぬたたかいに全力をあげます。とりわけ、改悪教育基本法のもとでねらわれている33法案ともいわれている教育関係法案の改悪を許さないとりくみ、「教育再生会議」を中心としてねらわれる安倍内閣の教育改悪プランの具体化を許さないとりくみを今後も旺盛に展開する決意です。  
 
 改悪教育基本法にともなう新たな困難が生まれることは確かです。しかし、教育の営みの本質をすべて消し去ることは絶対にできません。いくら法を変えようとも、教育の営みは「国民全体に対し直接に責任を負って」すすめられるものです。この教育の営みの本質は、何人も、またどのような力をもってしても消し去ることはできません。  あくまでも教育は国民のものです。困難をうちやぶり、改悪教育基本法の具体化をゆるさず、教育を一部の政治家の手から本来の国民の手にとりもどすとりくみに全力をあげようではありませんか。
 
 



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