全教 全日本教職員組合 憲法と教育基本法を生かす学校と教育を
HOME
全教紹介
This is Zenkyo
全教最新情報
>活動報告
>声明・見解・談話・要求書など
>専門部の活動報告
ピックアップ
刊行物案内
障害児教育
青年教職員
全教共済
資料室
リンク集

 

和歌山県高等学校教職員組合:『政府・与党による教育基本法改悪法案強行採決の歴史的暴挙に対する常任執行委員会声明』

2006年12月19日 和歌山県高等学校教職員組合(和高教) 常任執行委員会

 自民、公明の与党は、2006年12月15日、改悪法案の廃案、慎重審議を求める圧倒的多数の父母・国民の声、教育現場の声を無視して改悪教育基本法案を強行採決した。私たちは、この憲法違反の内容を押し付ける歴史的暴挙に対し、強く抗議する。
 
 改悪教育基本法が教育の目標を掲げ、子どもと国民に「愛国心」を法律で強制することは、思想・信条・内心の自由を定めた憲法第19条に違反する。また、16条で「教育は…この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と定めたことは、政治的多数決によって教育の自主性、教育の自由を蹂躙し、時の政府の思いのままに教育を統制・支配することとなる。だからこそ、前教育基本法10条は、「政府等による教育の不当な支配」を禁じていたのであり、憲法第13条(個人の尊重、幸福の追求の権利)、23条(学問の自由)、26条(教育を受ける権利)に違反する大問題である。
 改悪教育基本法のねらいは、すでに私たちが指摘してきたように、憲法9条改悪と一体の「戦争する国」の人づくりと財界が求める人材づくりにあり、いわば、教育の目的を個人の「人格の完成」から、国家・企業の目的遂行の道具に変えるものである。教育は、子どもと日本の未来にかかわる問題であり、このような基本法では、いじめや自殺、過度な競争、未履修、不登校など現在学校が求められている教育諸課題の解決にならないばかりか、逆にその取り組みを阻害することになる。
 
 安倍内閣は、憲法改悪とともに「教育の構造改革」つまり貧困と格差を教育界に持ち込む政策を改悪教育基本法の成立を機に、急速に推し進めようとしている。全国一斉学力テストの実施、バウチャー制の導入、教職員の削減と賃金切り下げ、免許更新性の導入などにより政府に従順な生徒・国民、教職員づくりと「経済的効率化」をねらっている。憲法改悪策動、国民の教育権の否定がすすむことを憂慮する。
 
 他方、教育基本法改悪反対のたたかいは、教職員の誇りと良心をあらためてよびさまし、戦後教育運動史上、特筆すべき重要な国民的到達点を築いた。この間集約された署名は312万筆を数え、東京の2万7000人、北海道1万人、大阪7500人をはじめ、全国各地でこれまでにない規模での大集会、地域での小集会など、数え切れないほどの集会が開催された。和歌山でも、1200名を超える大集会をはじめ、数十万枚を超えるビラ、署名、意見広告、県選出国会議員への1万枚を超える要請はがき、数限りない学習会・職場会、数万枚のポスター、定期街頭宣伝、中央動員、1000箇所一斉宣伝などなど大規模な運動が展開された。各支部・分会では、少なくない未組合員の運動参加を含め、多忙な中にあっても多様な要請に応えて、運動の高揚に大きな力を発揮した。全教・日高教も、教育基本法改悪案を廃案に追い込む闘いを、戦後史を画する歴史的な闘いとして位置づけ、運動をすすめてきた。こうした運動の前進を反映し、国会での慎重審議を求める世論は過半数を大きく上回り、教育界・日弁連・研究者等からも反対意見が出る中で、マスコミもまた大きく取り上げることとなった。これらの動きが、強行採決を許したものの、与党・政府を大きく包囲し、窮地に追い込んだことは否めない。
 
 和高教常任執行委員会は、この間の取り組みによって築いてきた運動の前進とその基盤に立ち、新たな平和と教育を守るたたかいの先頭に立つ決意を表明する。
 教育基本法改悪反対のエネルギーを、引き続く憲法をまもる闘いへとつなげ、県民過半数署名運動や地域・職場9条の会などに取り組む。
 今後予想される国民の「人として成長し、生きることを保障する教育」を否定する攻撃から子どもを守り、憲法と前教育基本法の精神・理念に基づく教育実践や職場の多数から信頼される教育運動の展開、教育条件整備などの課題に取り組み、父母・県民とともに子どもと教育を守る運動をすすめるものである。
 
 
添付ファイル】 



▲ページトップへ

〒102-0084 東京都千代田区二番町12-1 全国教育文化会館3階 TEL: FAX:
Copyright(c)2005 全日本教職員組合 All rights reserved.