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香川県高等学校教職員組合:『教育基本法「改正」に対する執行部声明』

2006年12月15日 香川県高等学校教職員組合(香川高教組) 執行部

 政府与党は国民の声を無視し、単に審議時間を確保したという形式を根拠にして、憲法の理念を実現すべく制定された教育基本法を全く否定する内容の教育基本法「改正」法案の成立を強行しました。私たちは、このことに対して満身の怒りをもって抗議するものです。
 私たち香川高教組は、戦後日本の平和と民主主義と教育を支えてきた教育の憲法といわれる「前教育基本法」を守るために、教育に携わる者の誇りと南原繁氏を輩出した郷土の名誉をかけて最後の最後まで奮闘してきました。この間、全国のなかまとともに教基法改悪反対の署名活動、街頭宣伝行動、国会議員要請行動、国会前宣伝行動、県外行動としては高教組史上最多161人が参加した「3・26教基法改悪反対全国集会」をはじめとする中央行動、また、高教組史上最多の組合員参加の「教育基本法を守ろう香川県民大集会」など様々な取り組みを高教組の総力を挙げて行ってきました。この過程で、県内各9条の会などの他組織との協力共同も広がりました。また、教育基本法「改正」の問題点を新聞意見広告やラジオスポット宣伝、県内各地での街頭宣伝行動などを通して広く県民に届けることができました。
 この法案審議過程でタウンミーティングでの「やらせ質問」や常識を逸脱した国民の血税の散財が明らかになり、加えて、教育基本法「改正」の直接担当部署である教育改革官室(後に教育改革推進室)がこの「やらせ質問」に大きく関与していたことも発覚しています。このことからしても、政府・文科省に法案提出資格が無いことは明白です。各種新聞の世論調査では、今国会での拙速な「改正」に反対する声が国民の過半数となっていました。また、基礎学力開発センター(東京大学)の公立小中学校校長アンケート調査結果でも66%の校長が教基法「改正」反対と回答していました。このような国民や教職員の声を無視して、教育基本法「改正」の何ら具体的説得力のある根拠も示さずに、単なる現在の国会での数の力で変えてしまうという発想は民主主義の否定であり、伝統ある国会への侮辱、ひいては国民無視の戦前回帰政治と言えます。この政府・与党の暴挙は、私たちの取り組みが日増しに大きくなり、国民の世論が教育基本法「改正」反対へと大きく傾斜する前に強行採決してしまわなければならないところに私たちが追い込んだことの証です。
 法案は政府与党によって不当にも強行採決されてしまいましたが、私たちはフィンランドの教育が日本の「前教育基本法」をお手本にしていることにも確信をもたねばなりません。また、私たちが主張してきた「前教育基本法」を守り生かした教育はとりもなおさず、一人ひとりの子どもを大切にすること、そしてこの過程を通して子どもたちがかけがえのない自分自身の存在を確認し、自分自身や家族や友達を大切に思い、ひいては学校や地域、日本や世界の人々を大切に思える教育であることにも確信をもたねばなりません。私たちは、正義と真理が私たちにあることを確信しつつ、教育の条理と教職員の良識に基づいて、今後も日々愚直にかつ粛々と国民の側に立った教育に邁進していかねばなりません。
 
 
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