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長崎県高等学校教職員組合:『教育基本法改悪法案の強行採決に抗議する』(声明)

2006年12月15日 長崎県高等学校教職員組合(長崎高教組) 執行委員長 吉岡賢

(1)自民・公明の与党は本日、参議院本会議で教育基本法改悪法案の採決を強行した。衆院での与党単独採決に続く度重なる暴挙に対し、満身の怒りを込めて抗議するものである。この強行採決は、議会制民主主義と圧倒的多数の国民世論を踏みにじるものであり、民主主義国家としてけっして許されないことである。また、政府・文科省が多額の血税を使って世論誘導、世論の「偽装」を行ったことは、法案提出者としての資格が問われる重大な問題であり、全容解明と責任が明確にされないまま採決を強行したことは断じて認めることはできない。
 
(2)強行された改悪法案は日本国憲法に違反する重大な問題点をもつ欠陥法案である。「国を愛する態度」を教育の目標に掲げて国民に押しつけることは、国民の思想・信条、内心の自由を侵害するものである。また、改悪法案は政府・行政による教育への介入を無制限に可能にするものであり、民主教育の根幹を破壊することにつながるものである。
 
(3)国民世論の圧倒的多数は、「改正」に賛成の人びとを含め「今国会での成立にこだわらず、国民的な論議を踏まえ、慎重な審議」を求めていた。多くの新聞・マスコミの主張、国会での参考人あるいは公聴会での公述人の意見、教育関係学会の共同声明、日本弁護士会および47にも及ぶ単位弁護士会の会長声明なども、こうした国民の声と響き合うものであった。与党による採決強行は、こうした世論の広がりを恐れ、改悪法案の本質と憲法改悪の狙いを国民の目から覆い隠したまま、法案成立を図ったものであるといわなければならない。
 
(4)憲法と一体の教育基本法をこうした乱暴なやり方で改悪したことを絶対に認めることはできない。この教育基本法改悪に反対するたたかいは、現教育基本法成立以来とも言えるほどの国民的な関心を呼び、たたかいの中で教職員はもちろん多くの国民が教育基本法を学び、その価値を身に付けることができた。また、教職員・保護者・市民の共同の輪が全国的にも長崎でも大きく広がった。今後、改悪された教育基本法に基づき様々な攻撃がかけられて来る可能性は大きい。私たちは、このたたかいの中で培った各分野の人たちとの共同をさらに発展させ、「憲法の理想の実現」を目指し、「子どもの人格の完成」を第一義に考える民主教育をまもり発展させるため、組織を挙げて奮闘するものである。
 
 
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