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【行動】2007/05/09
改憲手続き法、教育改悪3法案の廃案を!
改憲手続き法案・教育改悪3法案反対5・9中央行動を実施!【情勢報告】
【情勢報告】東森 英男 全日本教職員組合 書記長
たいへんお忙しい中、国会行動に結集されたみなさんに、心からお礼を申し上げたいと思います。今日は全教、教組共闘、子ども全国センター、教育基本法全国ネットワークの4者の主催ということで、新日本婦人の会のみなさんをはじめ、市民のみなさんも多数来ていただいております。
改憲手続き法案と一体に教育改悪3法案の強行審議が続けられているわけですけれど、新年度の多忙さとも関わって、必ずしも昨年の秋から年末にかけて盛り上がった、教育基本法改悪阻止闘争のような運動にはまだなりきれていないわけですけれども、教職員と父母・国民が共同を大きく広げて、憲法改悪と教育改悪を許さない大きな運動を今日を契機にして、残る6月23日までの1ヵ月余の国会をたたかい抜く意思統一の場にしていきたいと冒頭申し上げたいと思います。
第1の問題は、安倍内閣の直面している政治的、外交的行き詰まりを憲法改悪と改悪教育基本法の具体化をはかるということに焦点をあてて、参議院選挙に向けた実績づくりにしようとして躍起になっているということだと思います。それは同時に、国民の中から出てきた要求に基づくものではないという矛盾がいっそう顕になってきているわけです。
憲法改悪に先だって、アメリカ軍が攻撃を受けた場合、自衛隊が武力行使ができる集団的自衛権行使の体制をつくろうとしているわけですけれども。これはアーミテージ報告に見られるようにアメリカが強く求めているものであり、国民の中から出てきたものではない。
読売新聞をはじめ各紙の世論調査では、年々、憲法改悪に反対する人のポイントが上がり、憲法を変えるべきだという人たちは大きく減り続けています。
中でも、9条改悪に反対する世論は過半数を制する多くの調査が発表されているように、国民の中に平和への強い願いが引き続き根付いている。これは九条の会をはじめ国民的な憲法運動の広がりと、昨年1年間歴史的なたたかいとなりました教育基本法改悪阻止の運動が憲法と教育の関係をあらためて学び直し、憲法にもとづく教育の大切さを国民の中に新たに受け止めたその反映でもあると思っています。
改憲手続き法案については、与党は今週にも採決をやろうという構えを示しています。
普通は予算案とか、あるいは特別委員会をつくった重要法案と呼ばれている法案については、公募による公聴会を開いて、国民の意見を聞いたという手続きをとることが慣例になっているわけです。この中央公聴会は、決めてから1週間公募期間がありますので、例え今日決めても、16日まで開けないということになる。与党はこの中央公聴会をすっ飛ばしてでも、採決をやろうとしているわけで、手続きの面でも国会の運営ルールを無視してやろうとする安倍内閣の暴走の姿が、一段と国民の中に明らかになる事態になっている。
教育改悪3法案については、あらためて言うと――
学校教育法の改悪は、「国を愛する態度」など改悪教育基本法に書き込まれた徳目を学校教育法の中にあらためて書き込んで、義務教育の目標に定めるという重大な問題をもつもの。同時に、いま学校には、校長、教頭、教諭という職があるわけですが、新たに副校長、主幹教諭、指導教諭という職を設けて、管理体制を強めるというものです。これは、管理体制を強めるというだけでなく、副校長は校務を司るとしか法律に書いていないわけですから、授業を持たない先生を学校の教職員の定数が削減される中で増やしていくという、子どもたちと教師のふれあいがさらに狭められ、学校がいっそう息苦しくなるという重要な問題をはらんでいます。
教員免許法の改悪については、教職員は終身免許という約束で教員免許を取得されたわけです。いままで文科省もそういってきたわけです。ところが今度の法律では、有効期間に定めのない免許とごまかして、だから更新制をかけてもいいということです。自由法曹団の弁護士に言わせれば、「終身雇用と言われて会社に入った人が、ある日突然、『君は10年の有期雇用に今日から変更するよ』と言うのと同じだ」と、これだけ重大な法案であり、かつ10年の更新を待つまでもなく「指導が不適切な教員」に対して免職にすることが出きるという規定が入っている。
「指導力不足」ではなく、「指導が不適切」なんです。これがいま国会の論戦の中でも、「指導不適切」の基準は何か、文科省が基本を定めて後は都道府県教育委員会がやると言っていますけれども、この中に学習指導要領とか「日の丸・君が代」が入ってくれば、極めて重大な問題です。私たちがいま批判しているように、時の政府言いなりの教員づくりということです。
地教行法については、井上参議院議員から話があったとおりです。法律には、児童・生徒の生命が危険にさらされるとか、生徒の教育を受ける権利が侵害されている時は、地方自治法に定められている是正要求を国がしてもいいんだと書いてあるわけですけれども、そうではなくて、「日の丸・君が代」や学習指導要領の問題も含めて命令できるということです。それはこの間、全国一斉学力テストの問題で大きな運動をつくって、非常に大きな到達点をきずいたと思いますけれど、市町村が実施主体であるにも関わらず、「個人・番号対照方式」について、あれだけの妨害を文科省がやったことをみれば、いま地方教育委員会の当事者のみなさんも含めて、いまでさえこんな実態なのに、地教行法が変えられたらどれだけ国の地方教育に対する圧力が強められるのか、という懸念も広がっているわけです。
いま全教としては、地方教育委員会の教育委員や教育長との対話・懇談をお願いして、運動を広げているところです。
時間がありませんので、3法案の問題点は以上のようなことであります。特別委員会の審議状況は、衆議院HPで録画を見れるようになっていますので、職場・地域で法案の問題点を具体的に広げていただきたいと思います。
最後に、いま井上参議院議員からもありましたように、昨年ほどに運動がまだ広がりきれていない。重要法案は参議院のみなさんは1ヵ月は審議時間を欲しいと言っているわけです。会期末は6月23日(土)ですから、実質的には6月20日頃です。来週まで、我われが衆議院でこの3法案を通さなければ参議院での審議時間は1ヵ月をきっていくわけで、参議院選挙が近づいてくる。洗礼を受ける半分の議員がいるわけですから、ますます苦しくなるわけで、いまがんばればたたかいの展望切りひらくことができると思うんです。そういう意味で、自民党議員のFAXの紙が無くなるまで、FAXを送り続けようではありませんか。そして、直接議員を訪問して、
地元選出議員に改憲問題とともに教育改悪3法案の問題点を明らかにして、慎重審議を強く求めていただきたいと思います。
私たちは、このたたかいを憲法改悪を許さないたたかいと一体にすすめ、かつ貧困の拡大と教育の格差づくりを許さない、すなわちお金を減らしながら競争と格差だけをすすめる安倍再生プランは絶対に国民は認めないとの立場で全力を上げて奮闘することを訴えて情勢報告にさせていただきます。
ともにがんばりましょう。
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