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『未来をひらく教育のつどい2006』 第28、特設分科会


◆第28分科会  今日の教育改革―その焦点と課題  ※文中の括弧半角数字は分会ごとのレポート番号 
 
1 教育改革の動向と本分科会の課題
 
 教育基本法「改正」案が国会に上程・審議されるという極めて重大な局面において、これまで特設分科会であった本分科会は、今年度から通常分科会となり、引き続きその役割を担うことになりました。本分科会は、過去10年近くにわたって「教育改革」について、全国から寄せられた多くのレポートを手がかりに、多角的かつ批判的な視点で、討論を重ねてきました。教育基本法「改正」が、強引に推しすすめられようとしている今、本分科会の担うべき役割は、これまで以上に極めて重いものであると考えられます。
 政府・財界が一体となって強力に推進している「教育改革」は、教育基本法「改正」案のいわゆる「愛国心」強制にみられるように「国家主義」的な性格を持っており、同時にこの「教育改革」は、2005年10月の「中教審」の義務教育にかかわる「構造改革」答申や教職員への評価制度や免許更新制導入にみられるように、教育を競争と淘汰という市場原理に投げこみ、子どもや教職員をふるいにかけるという「新自由主義」的な性格をあわせ持つということは、これまでもたびたび指摘されています。
 ところでこの「上からの教育改革」は、枢要な部分は政府・文部科学省が握り、地方のレベルでさまざまに変容されながら強引に実施されているということに特徴があります。その意味で「教育改革」と一口に言っても、その内容や進展の度合いも一様ではありません。こうした状況が「教育改革」をわかりにくくし、父母や教職員の「教育改革」に対する批判的意識を分断させ、共有しにくくさせています。同時にここに至って、これまですすめられてきた「教育改革」のいくつかが破綻しつつあることも事実です。一時はマスコミにも大きく取り上げられ注目されていた「教育特区」も最近ではほとんど耳目に触れることはありません。「教員評価」も各地でゆきづまりや批判にさらされています。その一方で各地では、地域や子どもの願いに根ざしたとりくみや「上からの教育改革」をはね返すようなとりくみも生まれています。
 本分科会の課題は、教育基本法「改正」という状況下において、「上からの教育改革」を批判的に検証し、各地の実態を整理しつつ、その問題点・限界を明らかにするとともに、「下からの教育改革」すなわち「私たちの願う教育改革」の到達点・可能性を、参加者の討論により、励まし深めていくことにあります。そしてそのことが日本の教育の現在と未来を彫琢することになるはずです。極めて困難な状勢のもと全国から寄せられたレポートを手がかりに、すべての参加者の討論により、「私たちの願う教育改革」の具体的な可能性を共有していきたいと思います。
 
 
2 レポートの特徴と討論の柱
 
 本分科会には、11本のレポートが寄せられました。レポートが示す内容は、幅広くさまざまで、これが本分科会の特徴をよく示しています。これらのレポートを大きくいくつかにまとめ、討論の柱立てを構成しました。
 
第1日目
 午前冒頭に、共同研究者から、昨年までの到達点や課題を確認し、教育基本法「改正」の動向や現在の「教育改革」の動向とそれを踏まえた今分科会の今年度の課題を提起します。
 レポートの最初は、(7)によって、「学力」を中心にした東京都の「教育改革」の実態を共有します。午後は引き続き、各地の動向について、(6)の障害児教育の現状、(10)による「教育改革」のもたらす弊害、(3)の改革の現在、さらには開催地である(4)の状況を検証・整理し、「教育改革」の現在を明らかにしたいと思います。
 
第2日目
 午前中は、各地でとりくまれている「下からの教育改革」の報告を受け、その実践を学び励ましたいと考えています。
 (5)の教職員を軸にした学校づくりのとりくみ、(8)の地域運営学校の可能性、さらに粘り強く運動を継続している(9)から、総合選抜を軸にした市民運動の報告を受け、「私たちの願う教育改革」の手がかりを明らかにしたいと思います。
 午後は、「教育改革」と教職員組合の教研活動という重要なテーマについて、(2)からのレポートで討論を深めます。さらに(1,11)のレポートを総括的に検証し、「私たちの願う教育改革」の到達点や可能性を参加者で共有したいと思います。
 なお、教育基本法「改正」問題などの動向をふまえ、教育基本法全国ネットワークなど、1、2の関係団体に別途報告を依頼することを予定しています。
 

◎「みんなが学力をつけなきゃ、幸せになれへん!」  本日参加者60人。11本のレポートをもとに2日間話し合います。参加者の中には父母・市民・保育園園長・高校生の姿もありました。1日目は東京・秋田・香川からの報告です。トップダウンの教育改革のリアルな話に、やや重い空気。が、「習熟度別学習」に対する発言の中で「多様な子どもたちが、いろいろなことを言う中で、みんなで学力をつけていくこと。これをやらなきゃ、みんな幸せになれへん!」と熱い発言も飛び出し、終わりに近づくにつれ、熱い論議になってきました。明日は「学校・地域からのとりくみ」「私たちの目指す教育改革」という論点で展望を見出す話し合いになっていくと思われます。
 
 現役の教師の方、退職された方、教育研究者の方たちのお話をいろいろ聞けて勉強になりました。特に現職の先生方の現在の大変な状況を聞いて、そのような中で現実を見つめながらこれからについて考えている姿勢に、自分も何かはじめなければならないと思いました。具体的に言うと教育基本法改悪のことをみんなに知らせること、県によって教育制度が違うことや東京都の管理の厳しさが狂っていることなど、教師を目指すものとしていろいろ勉強を続けていこうと思いました。(高校生)(速報「たまっこ」より)
 

◆特設分科会  「みんなで語ろう みんなでつくろう わたしの学校・地域・社会」
  ※文中の括弧半角数字は分会ごとのレポート番号 
 
1 分科会を開くにあたって
 
 子どもが参加する特設分科会の開催も、今年で8回目をむかえました。「開かれた教研」にふさわしく、子どもたちが運営したり、子どもたちが本音や願いを語り合える場を用意してきました。
 開催地埼玉でも、県の教育研究集会に子どもたちが参加する分科会を設けて5年になります。参加した子どもたちが交流をすすめながら、普段気にもしない他校との違いに気づいたり、日頃は話題にしない社会のことにも話が及んだりします。
 今回は、埼玉県内で、学校統廃合に反対して立ち上がった生徒、「定時制の灯」を消さないために県に働きかけている定時制高校生、私学助成を増やしてほしいと私学フェスタを企画した私立高校生、平和について学習し行動する平和ゼミの若者たち、平和の大切さを訴えるために「平和のための埼玉戦争展」を運営する若者など、さまざまなとりくみを生き生きと活動している子どもたち(元子どもたち)に集まってもらい、活動を紹介し合ったり交流し合ったりする予定です。
 
 
2 分科会の日程と概要
 
 午前中は、集まった子どもたちの心の交流を中心におこないます。集団レクリエーションや尺八に挑戦したりと、楽しみながら参加者が打ち解けていければと考えています。ストリートミュージシャンの演奏もあるかもしれません。
 お昼は、バーベキューでワイワイ楽しみたいと計画中です。
 午後は、分散会にしてお互いの活動を交流しあうか、はたまたテーマ別にわかれて分科会をおこなうか、当日参加した子どもたちと相談しながら決めていくことになるでしょう。
 

 
※本稿は、「教育のつどい2006」要綱からレポートの特徴と討論の組み立てについて紹介しています。また、合わせて速報「たまっこ」で取り上げられた当日の分科会の様子を紹介しています。速報の内容は、全日程を通じて取材したものではありませんのであらかじめご了承ください。



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