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【行動】2005/06/23 
『国の責任による30人学級実施を求める中央行動』を実施

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衆議院議員会館前で座り込み

国の責任で30人学級を!全教・教組共闘が中央行動

 全教と教組共闘連絡会は、6月23〜24日に、「国の責任による30人学級実施を求める中央行動」を展開しました。
 文科省は、中教審の要請をうけて、小・中学校の学級編制基準を見直すために、調査研究協力者会議を設置して検討し、6月までに結論を出すとしています。
 この背景には、文科省がこれまでの政策を転換して少人数学級をかかげることで、教育への管理支配をつよめるために、義務教育費国庫負担制度を維持しようとする思惑も見過ごせませんが、私たちの運動による自治体裁量の少人数学級の前進と定着も大きな要因となっています。
 しかし、新聞報道によれば、「小学校低学年からの少人数学級実施」に向けた検討であり、私たちが願う「30人学級の完全実施」ではありません。さらに、少人数学級実施に伴う国負担増に反対する財務省や、義務教育費国庫負担制度の縮小・廃止の動きもあり、様々な巻き返し動きが予想されます。
 このような新たな情勢のもとで、今年度の全国3000万署名を大きく成功させるとともに、政府・文科省に向けて中央行動が配置されました。

院内で150人が意思統一集会
�燹惺�太方針2005』とのたたかい重要��

 この行動の意思統一集会で主催者あいさつを行った石元全教委員長は、「中教審特別部会の鳥居会長は、『30人学級を実施した教育は日本に必要であることは申すまでもない』と述べた。私たちの要求の切実さの現れだ。協力者会議では少人数学級導入への検討を行っている」と述べるとともに、一方で30人学級の実現にあたって大きな壁に小泉構造改革攻撃がなると指摘し、次のように述べました。
 「『骨太方針2005』が6月21日に発表された。課題では、『小さくて効率的な政府へのとりくみとして、第1に郵政民営化、第2に三位一体改革、第3に国・地方の行革の徹底』と公務員の総人件費削減をかかげている」として、「少人数学級の財源の7割は国庫負担。ここを取られると自治体の努力は無に帰す。そういう意味で『骨太方針2005』とのたたかいが求められている」と強調し、2日間の行動の成功を訴えました。

少人数学級は45道府県で実施

 情勢報告では、東森書記長が憲法と教育基本法の緊迫した情勢を述べた後、少人数学級について触れ、「文科省は、『教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議』を設置して、『少人数学級』の是非についての検討をすすめている。これまで文科省は、国民の要求である30人学級には耳を傾けず、『40人学級』に固執するとともに『習熟度別編成』による『少人数授業』をすすめてきた」と指摘。一方で全教などがすすめてきた3000万署名などの運動が、「地方自治体の裁量によって少人数学級を実施する自治体が現在47都道府県中45道府県に及んでいる」と運動への確信を述べました。
 また、この間文科省が次第に国民要求への譲歩を示してきたことについて、「状況が急展開した背景には、小泉内閣のすすめる『三位一体の改革』によって義務教育費国庫負担制度が存亡の危機に瀕している中で、学校への管理支配強化のために文部科学省予算として国庫負担金を持ちつづけたいという強い執念がある」と指摘。
 「『教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議』は、この中教審の要請にもとづいて設置されたもの。この委員の中には、今度都政の騒動で副知事に昇格した東京都の横山教育長なども入っており、『30人学級は教育効果がない』とか、文科省の従来の政策を主張する人、山形や鳥取の少人数学級の成果を報告する人などが入り乱れた議論となっている」と述べました。

義務教育費の堅持はどうしても必要

 最後に、「30人学級実現のもう一つの障壁は、小泉内閣の『三位一体の改革』であり、財務省、総務省の財政抑制、定数削減路線がある。これを打ち破って、30人学級を国の責任で、とくに臨時教員、非常勤講師の多様ではなく正規教員で行わせるためには、財政政策の転換をはかることが不可欠。また、このためにも、義務教育費国庫負担制度の維持がどうしても必要」と強調しました。
 集会には、日本共産党・石井郁子参議院議員が連帯あいさつを行いました。
 なお、この日の午前中に「教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議」のヒヤリングがあり、山口教文局長らが意見表明を行いました。
 

≪各地の運動交流から≫

◆◇◆埼玉◆◇◆
 少人数学級に文科省が乗り出すことに、「漸くか」と心の底から思う。私たちは当たり前のことと思うが、父母に声をかけてここまで漸く来たという思いだ。
 そういう中で、3000万署名が今年は大事だと思う。埼玉では、2回目の実行委員会を開き、埼教組、埼高教、埼玉私教連、私学を良くする父母懇の4つの団体で意思統一をした。7月6日にはそれぞれの担当者を集め、推進委員会を開き。9月7日にはスタートキャンペーンを300名規模で駅頭宣伝を行いたい。この署名への意気込みは高い。秋には県民集会、11月には提出と国をグイッと押していく力となりたい。
 
◆◇◆福島高◆◇◆
 これまで9月にやっていた県のスタート集会を、今年は大幅に繰り上げて6月18日に開催した。これは、私学助成などでPTAがやる運動に引けを取らないように、同時展開するようにと考えてのこと。
 今年の4月から福島では財政事情もあり、小学校から中学校まで33人学級を全学年でやることになった。これは全国初。
 では、なぜできたのか。県知事選での政策論線もあるが、署名の力が強いということ。教育要求をどれだけ県政に生かすことができるか、署名の力を実感できるとりくみとしたい。
 
◆◇◆滋賀◆◇◆
 滋賀でも、全教の提起を受け3000万署名を2ヶ月前倒し、6月18日に署名をスタートした。この行動で市民の期待を感じている。7月2日にはスタート集会を開くが、自治体にも声をかけている。その中で、日野町の町長から、「行き届いた会の30人学級の要求をいただいた。財政は厳しいが小学2年生でも実施したい(滋賀県では小学1年生には35人学級を実施)。町の将来を担う子どもたちにきめ細かい指導を推進することは重要。全国すべてでできるように期待している」とのメッセージもいただいた。
 この町独自の実施は、何度も懇談し町長が決断した。これ以上は、県と国に応援してもらわなければならないと署名を集めている。
 一般の地方紙でも、3000万署名を「30人学級で国を動かす力となっている」と書いている。県民に対する責任ある。とりくみを広げたい。
 
◆◇◆長野高◆◇◆
 4月から小学生6年生まで35人学級に。この間の署名などのとりくみを県のお母さんたちのネットワークで成果の確認をした。長野駅で30人学級の宣伝行動を行う。例年以上に盛り上がった。
 それは、数年掛けていた統廃合問題が具体化しそうだからだ。県教委は推進委員会をつくっているが今年中に結論出したいようだ。しかし、その密室性に抗議の声があがっている。慎重審議を求める意見書もあがっている。
 高教組は、反対運動のレベルを一段上げ、教育的な議論の場にしたいと思っている。30人学級の可能性を高校現場でも打ち出そうとしている。
 長野県の将来にとって非常に重要な議論になると思う。今年の運動をいろんな人と広げたい。
 
◆◇◆和歌山◆◇◆
 全教ビラを1万1000枚取り寄せ、6月18、19日の宣伝行動を全県でとりんだ。中教審の特別部会の鳥居会長宛てに、国の責任で小中高に30人学級や定数増を求める要請ハガキを作成し、支部の大会などで直接書いてもらった。
 02年度から30人学級を求める運動を立ち上げた。今年度は小学4年生、中学2年生にまで拡大された。地域と一体となったとりくみが広がり、実施につながった。
 これには、「不登校の生徒が減った」「子どもが生きいきと交流できるようになった」とかの声があがった。これを、さらにという思いが広がっている。全国のとりくみに連帯して広げたい。
 

≪参加者の感想≫

◆◇◆愛知高:武藤さん◆◇◆
 議員要請で応対した秘書さん。「少人数学級にして悪いことは何もない」。また、各県の30人学級の流れに思いを強くしました。
 毎年やっている3000万署名ですが、今年は「来年こそ30人学級完全実施を」の意気込みでとりくみたいと思います。
 
◆◇◆和歌山:宮下さん◆◇◆
 全国で30人学級のとりくみが広がっている。そして、あと少しで、実現ができるという感じがしました。
 その中で、税金が兆の単位でつく東京で30人学級の動きがないとは驚きです。和歌山では、まだ条件つきですが全学年での30人学級に向けて運動を広げたい。




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