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【行動】2006/09/26 
安倍新内閣が発足した9月26日 教育基本法改悪許さないと国会開会日行動

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第165回臨時国会が開会
安倍内閣の暴走を許さないと国会請願デモ

 9月26日、第165回臨時国会が開会。安倍晋三氏が衆参両院本会議で首相に選ばれ、新内閣が発足しました。
 本臨時国会の開会にあたり、国民大運動実行委員会は国会行動を実施。請願デモの出発に際し、主催あいさつした農民連石黒さんは、新首相となった安倍伸首相について、「憲法改悪を明言し、教育基本法の改悪を優先するとしている。しかし、廃案への展望はある。先日も日の丸・君が代の問題で極めて重要な判決が出た。廃案に向けてみなさん、ともにがんばろう」と力強く訴えました。小雨降る永田町に国会請願デモの参加者は、安倍内閣の暴走を許さないとの思いをシュプレヒコールにのせ、国会に届けました。
 
 

新宿駅西口前で国会開会日にあたり街頭宣伝を実施
安倍晋三新首相で�爐曚鵑箸Δ卜匹�なるのか?��

 教育基本法改悪法案をめぐり、重要なたたかいの場となる臨時国会の開会日にあたり、各界連絡会は、新宿駅西口前での宣伝行動を実施。あいにくの雨となった宣伝行動でしたが、マイクを握った各弁士は、危険な安倍新首相の誕生のもとで教育基本法の改悪を許さないたたかいへの決意みなぎる熱弁をふるいました。
 これらの訴えに、宣伝カーに向かって手を振る人や「最後まで聴いた。教育の問題は大事」と宣伝終了後に声をかけてくる人もあり、臨時国会に向けたたたかいへの大きな出発点となりました。
 
 子ども全国センターの三上代表は、本日選出された安倍新首相についてふれ、「安倍さんは5年のうちに憲法を改めるんだと言っている。5年間という期限をつけて、日本の持っている世界の宝である平和憲法を崩していくことを約束して登場した。そんな内閣に好きなことをやられては、私たち国民の平和や子どもたちの未来を守ることはできない。私たちはこうした邪な狙いを持った教育基本法の改悪を国会で通させることはできない。廃案にしなければならない」と述べ、「教育をいっそう悪くする、みなさんの子どもや孫から明るさを奪う、そういう教育基本法の改悪を許さないよう、ともに声をあげていきましょう」と道行く人に呼びかけました。
 
 全労連の今井さんは、「安倍政権の発足は、国民生活に重大な影響を及ぼす」とし、5年以内に憲法を改悪して、日本を戦争する国にするため、まず教育基本法を改悪すること最優先としていることを批判。「教育に国家権力の介入を許すことになる。また子どもたちに競争と差別をいっそう持ち込むものだ」と指摘し、教育基本法の改悪を許してはいけないと訴えました。
 
 新日本婦人の会の石崎さんは、「教育基本法が変えられそうになっていることを知っていますか?」「教育基本法は教育の憲法。それなのになぜいまなぜ変える必要があるの?」と道行く人に問いかけました。さらに教育基本法について、「実は子どもたちが平等に教育を受けられるのは、教育基本法のおかげです」と述べ、「この教育基本法にある『平和』の文言を削ろうとしているのが、今度の改悪案です」「改悪案は『天皇のために死ぬのは素晴らしい』とする戦前に戻すもの」とこの改悪案の本質を指摘。「未来は子どもたちのもの。教育基本法を守ることは未来を守ること」と教育基本法を守る世論の結集を訴えました。
 
 出版労連の前田書記次長は、「子どもたちに重大な影響を与えているのは自民党政治。変えねばならないのは、教育基本法ではない」と訴え。
 
 農民連の上山さんは、「農民は、平和でないとなりたたない。国民が政府に望むのは、社会保障や年金の改善なのに、安倍政権は教育基本法と憲法の改悪を最優先としている。国民の声を国会に届けよう」と述べました。
 
 都教組の中山委員長は、「子どもと教育、日本の将来が危ない。声を上げて欲しい」と訴え。10月14日、教育基本法の改悪反対の一致点で開催される明治公園での大集会への参加を呼びかけ、「かけがえのない子どもたちの成長と発達を保障するためにも、集会を成功させ、教育基本法の改悪を阻止するために全力をあげる」決意を述べました。
 
 全教の石元委員長は、「10月15日までの88日間にわたる臨時国会が今日開会した。安倍新首相は、教育基本法の改悪を最優先に掲げている。まさに『教育基本法国会』と言っていい情況だ」とし、先の国会での論戦を紹介。「改悪法案では『改正』理由を一切示していない。小泉前首相自身が愛国心通知表で評価することはできないと述べている。そうした徳目を強制するような改悪法案は廃案しかない」と述べ、国民世論のさらに大きく広げようと訴えました。
 


≪子ども全国センターの三上満代表の発言から≫

 みなさんこんばんは。
 先ほど安倍晋三氏が新しい総理大臣に任命されて、いよいよ安倍内閣が発足しました。
 安倍さんは、総裁選の中で「教育基本法を改めることを真っ先にやる」ということを自民党の中で公約としてきました。しかし、これは国民に対する約束でもなんでもありません。私たちはこんな「公約」を受け入れることはできません。
 
 安倍さんが教育基本法をなぜ改めようとするのか。先の通常国会で審議をする中でも、とうとう政府や文部科学省、小泉首相は、教育基本法を改める理由を示すことができませんでした。
 やれ「子どもたちが問題を起こす」だとか、「モラルが低下している」だとか、「親を大切にしない子が増えている」だとか、「教室の中で暴力を振るう子どもがいるから」などの理由をあげていますが、これは決して教育基本法があるからでも、なんでもありません。
 安倍さんに至っては、「教育基本法は個人の尊厳を重んじとか、個人の価値を尊びとかいうふうに、個人個人と言っているからあのホリエモンのように自分のことしか考えない人間ができてしまう。だから教育基本法を改めて個人よりも国家のことを余計に考えられる国民を育成しなければだめなんだ」と、そんなことまで言い出しています。これはまったく見当違いのとんでもない教育基本法に対する捻じ曲げであることは、誰がみても明らかです。
 
 教育基本法が、個人の価値を尊び、個人の尊厳を重んじ、一人ひとりの人間を大切に、人の持っている命の輝きを――こういうふうに書いているのは――あの戦争中の教育が命を捨てることを何とも思わないように教え、国家のために、天皇のために死ぬことを名誉だと教えた。そして、あのたいへんひどい侵略戦争に引き込んでいった。教育基本法は、このことに対する深い反省から、もうあんなことはコリゴリだ、命を捨てさせるような教育は絶対ダメだということで、打ち立てられた戦後教育の出発点です。一人ひとりが大事な命と価値を持っている。そのことを出発点に一人ひとりの子どもたちを大切にするような教育をつくろうではないかと。
 
 今年の8月6日、広島の平和式典の時に、子ども代表が平和の誓いを読みあげました。
 あの子ども代表の誓いは本当に感動を誘うものでした。
 男女2人の小学6年生は声を揃えて言いました。
 「ぼくたち、私たちの命は、ぼくたち、私たちのものであり、家族のものであり、そして、私たちを必要としているすべての人たちのものです」
 私は、本当に素晴しい言葉だと思うんです。そういう命を大切にとらえだすことを出発点とした戦後教育。これを何もいま改める必要はありません。
 
 なぜ安倍さんはこれを改めようとしているのか。安倍さんは5年のうちに憲法を改めるんだと言っている。5年間という期限をつけて、日本の持っている世界の宝である平和憲法を崩していく、そのことを安倍さんは約束して登場したんです。そんな内閣に好きなことをやられて、私たち国民の平和や子どもたちの未来を守ることはできません。私たちはこうした邪な狙いを持った教育基本法の改悪なんて、どんな理由をつけようと今度の国会で通させることはできない。廃案にしなければならないと思っています。
 いまの教育基本法には公共心がないからなんて言っていますが、教育基本法には、ちゃんと書いてあります。平和的な国家および社会の形成者を育てるんだと、そして個人の価値を尊び、真理と平和を希求する人間を育成するんだと、そういうことを教育基本法は、はっきりうたっています。いまこそ教育基本法の精神を教育の中に生かすべきときだと思うんです。5年のうちに憲法を改めて日本を戦争ができるようにすることを、いまやいのやいのと日本に一番迫っているのはどこでしょうか。
 
 それは一つは、イラク戦争が行き詰まって、たくさんの戦死者を出し、それでもなお打開することのできないアメリカが、アメリカの一番パートナーとなって世界でアメリカと一緒になって戦争をしてくれる国、これをこの日本に求めているわけです。だから日本をアメリカと一緒になって全世界で戦争できるそういう国に仕立てたい。
 もう一つは、日本の財界です。日本が武器を公然と世界に輸出して儲けることができるような国にする。そのためには憲法9条が邪魔だ。そして憲法9条を大事にし、この国を平和な国にしていきたいというような子どもたちが育ってしまってはまずい、そのことが教育基本法改悪の隠された本当の狙いだということを私たちはしっかりと知らなければなりません。
 
 そして同時にもう一つの大きな問題は、いま、みなさんの職場でも格差が広がっていることです。ホームレスの人や、あるいは職を失った人や家賃が払えないで家を追い出される人や、あるいはろくな介護も受けられないお年寄りや、さらにはちゃんとした職につけない若者や、そういういうような社会。その中で「勝ち組」と言われる強いものだけがのさばっていくような、強気を助け、弱きを挫くようなこういう社会のあり方がどんどんすすむ中で、こういう社会の中でも格差のある社会に甘んじて生きるような、そういう子どもたちを小中学校の教育の中でもつくりだしていく、こういうことも見なければなりません。
 小学校、中学校の段階でも公立学校中心という考え方は、もう捨てて公立私学だけでなく、企業やいわゆる教育に関する民間の会社、こんなものまで参入して競争させる。競争して「勝ち組」になったものだけが育てられる。「負け組」になったものは、おいていかれる、こんな殺伐とした学校。競争や序列化や、順位や差別や選別や、そういうことだけがのさばって、子どもたちが日々ストレスを感じてギスギスしなければならないような学校。そんな学校にしてはならないと思います。
 
 教育というのは、もともとやさしくて、ゆとりがあってどんなに遅れた子にもやさしく声をかけ、育てていく、それが教育の本当の仕事です。子どもたちのいままでできなかったことが、できるようになったことをみんなで良かったねと拍手を送る。そういう中で温かい心を持った子どもたちが育っていきます。子どもたちからそういう喜びを奪い、競争と選別と序列化というものだけがまかり通る学校にしてはならない。そんな教育にするための教育基本法改悪を絶対にこの国会で通させてはならないと思います。
 今日からはじまった臨時国会をしっかりと注目していきましょう。主権者は私たち国民です。何も安倍さんや自民党や公明党に私たちの子どもたちの将来まで預けたわけではありません。
 どうかみなさん。教育をいっそう悪くする、みなさんの子どもや孫から明るさを奪う、そういう教育基本法の改悪を許さないよう、ともに声をあげていきましょう。
 そのことを訴えて私からのお話とさせていただきます。ありがとうございました。




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