【アピール】2005/11/09
『日本の教育を左右する決定的瞬間に立っている!義務教育費国庫負担制度をまもるたたかいに、今こそ全力を!』
―文字通り、1万枚のジャンボはがきを総集約し、11・16全国緊急集会を大きく成功させよう―
2005年11月 9日 全日本教職員組合 中央執行委員長 石元 巌
組合員のみなさん
今、義務教育費国庫負担制度が重大な局面を迎えています!
中央教育審議会は、10月26日、義務教育費国庫負担制度の現行の2分の1負担率もふくめ維持すべきという答申を出しました。この背景には、この間の私たちの運動の高揚と、国民世論があります。この制度が、憲法第26条、教育基本法第3条にもとづく国民の教育権保障、教育の機会均等を保障する根幹の財政制度であるという立場から、制度の維持・拡充を求める運動をすすめてきた私たちは、この結論を歓迎するものです。
ところが、小泉内閣は、これをも無視して、地方6団体が提案している8500億円(中学校教職員人件費)の一般財源化案にもとづいて、制度を縮小し、2006年度予算において、大幅な国庫負担金の削減をおこなう方向を強めています。
昨年11月の政府・与党合意で、義務教育費国庫負担制度の取り扱いについては、今年秋の中教審答申を踏まえて結論を出すとしました。この間の経緯に照らし、政府・与党は中教審が答申した義務教育費国庫負担制度維持という結論を出すべきです。
義務教育費国庫負担制度の廃止は、日本の教育の平等原則を崩すとともに、国が責任を負って教育条件を改善する道を閉ざすことになります。30人学級の実現をはじめとする国民的ねがいにもとづく教育条件整備は、大きく後退させられます。義務教育費国庫負担制度の廃止は、「教育の構造改革」の第一歩です。
一方で、義務教育費国庫負担制度の維持・拡充を求める世論が広がっています。今年度すでに市町村議会の47.2%の1044議会が、国に堅持を求める意見書を採択しています。また、市区町村教育長の85.4%が制度の縮小・廃止に「反対」と主張しています。事態は、まさに国民の要求と小泉首相のせめぎあいという様相を呈しています。しかも、義務教育費国庫負担制度の扱いは、11月中にも最終決着をみようとしています。
いよいよ予算編成を控える重大段階を迎え、義務教育費国庫負担制度を守れ、という現場の声を直接小泉首相に届ける1万枚ジャンボはがきのとりくみと、この制度の維持・拡充を正面からかかげて開催する11・16全国緊急集会は、きわめて重要な意義をもつものです。
しかし、率直にいって、現時点での到達点は、きわめて不十分と言わざるをえず、このまま推移すれば、重大な事態を招きかねません。本日をふくめ、残る1週間の全力をあげた奮闘で、なんとしても成功させなければなりません。
組合員の皆さん、まだジャンボはがきを書いていない人は、今すぐ書いて下さい。そして、隣に座っている教職員に書いてくださいと声をかけましょう。まだ、本部にハガキを送っていない分会は、今すぐ送ってください。そして、11・16集会を大きく成功させましょう。平日の夜のとりくみという困難さはありますが、事態は重大です。困難を乗り越え、11・16集会にこぞって参加してください。
子どもと教育を守れ、そのために義務教育費国庫負担制度の維持・拡充を、の教職員の心意気を大きく示そうではありませんか。心から、訴えるものです。
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