【要請】2006/07/26
『教員給料表の水準確保に係る要請について』
全教は、行革推進法に「地方公務員の給与制度の見直し」の中で、「政府は、人材確保法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、06年度中に結論を得て、08年4月を目途に必要な措置を講ずるものとする」ことが盛り込まれ、文部科学省が教職員給与の在り方を検討する際に必要な基本的データを収集する勤務実態調査を始めたことから、全国人事委員会連合会に要請を行いました。
2006年 7月26日
全国人事委員会連合会会長 内田公三 様
全日本教職員組合
中央執行委員長 石元 巌
日本高等学校教職員組合
中央執行委員長 岡田愛之助
教員給料表の水準確保に係る要請について
日頃より地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けてご尽力をいただいていることに敬意を表します。
さて、行革推進法には、「地方公務員の給与制度の見直し」の中で、「政府は、人材確保法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の在り方に関する検討を行い、06年度中に結論を得て、08年4月を目途に必要な措置を講ずるものとする」ことが、盛り込まれました。そして文部科学省は、教職員給与の在り方を検討する際に必要な基本的データを収集する勤務実態調査を始めました。
一方、「骨太の方針2006」には、義務教育費国庫負担金の見直し削減が明記され、財務省と文科省の
間で、「当面の措置」として、教員給与月額の2.76%の削減(国庫負担縮減額約430億円)で合意しました。
しかしながら、この教員給与削減の合意は義務教育費国庫負担金の削減についてであり、周知の通り、公立学校教職員給与の国準拠制は廃止となっており、各都道府県の主体的自主的判断に委ねられています。文科省の「教員勤務実態調査」の予備調査の結果をみても、「超過勤務の1週間当たりの平均時間は1人当たり15時間を超え、持ち帰り残業も約5時間に上る」(「日本教育新聞」)深刻な状況が明らかになっており、勤務実態に見合った給与改善こそが求められています。
すでに、「公立学校教職員の給与について、公教育の果たすべき役割を踏まえ『同一労働・同一賃金の原則』を堅持し、教員人材確保法に基づき適正な給与水準を確保すること」(4月10日)、「教育職モデル給料表を作成し提示すること。また、作成に際し、人材確保法の趣旨を尊重し、教職員の勤務実態と教職の専門性を踏まえ」ること(6月15日)を要請してきました。
つきましては、前述の義務教育費国庫負担金の見直しの動きを憂慮して、次の通り、重ねて要請いたします
。
記
一、人事委員会の給与勧告は労働基本権「制約」の代償措置であり、教育職モデル給料表の作成にあたっては、第3者機関として、義務教育費国庫負担金の見直しなどの動向に影響されず、地方公務員法、教員人材確保法に基づき適正な教員給与水準を確保すること。
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