【談話】2008/10/21
『新採教員を支援する教育行政を求める――1年目で退職させられる教員の数値発表に対して』
2008年10月21日 全日本教職員組合 書記長 東森 英男
文部科学省は10月17日、2007年度に採用された教員のうち、2008年度に採用されなかった人数が301人となっていることを発表しました。
この人数は、昨年発表の2006年度採用者で2007年度に採用されなかった教員数の295人を上回っており、2001年度55人であった数からみれば5倍以上となっています。
2008度不採用となった301人の内訳をみると、「依願退職」が293人、死亡退職5人などとなっています。これまで報告された事例によれば、「依願退職」の中には、「経歴に傷をつけないために」などと管理職などから強要されて退職願を提出したものが少なからず含まれていることが推察されます。
教師を志して教員の仕事を始めた青年が1年目で大量に退職する実態は正常とはいえません。
この背景には、第1に、改悪教育基本法を背景とした管理支配の強化と、「条件付採用期間の厳格な運用」の名による摘発・排除の広がりがあり、第2に、多忙化と長時間過密勤務があります。
私たちは、このような異常な事態を改善し、新規採用教職員の志を生かし、教員としての成長と健康に教育活動に打ち込める条件を保障する教育行政のあり方を強く求めるものです。
そのために、「指導不適切教員」の摘発・排除を中心とする施策から、新規採用教職員の成長を支援し、援助する方向に転換することを求めるとともに、職場で、新規採用教職員を守り育てるとりくみを呼びかけるものです。
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