≪≪≪INDEX 『みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい』−教育研究全国集会2007≫≫≫
ヒロシマで『みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい−教育研究全国集会2007』が開催されました!
8月16日から19日までの4日間、広島県で「教育のつどい2007」が開催され、北海道から沖縄まで全国各地から4日間で、のべ7000人をこえる教職員、父母・市民、子どもたちが参加。
現地広島では、これまで全教広島をはじめ34団体による広島実行委員会が結成され、つどい成功に向けた準備がすすめられてきました。つどいは、開会全体集会などでの現地企画、分科会・フォーラムの運営、猛暑の中での参加者案内など、広島実行委員会の大奮闘で大きな成功を納めました。
「教育のつどい2007」の最も大きな特徴は、子どもたちの姿をとおして、未来への確信を共有できたことでした。また開会全体集会での渡辺えり子さんの講演「未来をつくるー平和へのメッセージ」、現地企画「合唱構成『ヒロシマからいのち輝く明日へ』」、分科会討論など、「平和へのねがい」が「教育のつどい2007」の全体をつらぬき、流れ、ヒロシマから日本全体に発信する「つどい」となりました。
憲法の力、教育のいとなみの力を土台に、教育をみんなの手でつくりあげよう
――「教育のつどい2007」実行委員会代表委員あいさつ――
米浦 正(全日本教職員組合中央執行委員長、教組共闘連絡会代表幹事)
高田公子(子どもの権利・教育・文化全国センター代表委員、新日本婦人の会会長)
堀尾輝久(民主教育研究所代表運営委員、特別共同研究者
2006年12月15日、憲法と一体につくられた教育基本法が、多くの父母・国民、教職員のみなさんの「改悪反対」「そんなに急いで決めないで」という声を無視して、安倍内閣と与党によって改悪が強行されました。
しかし、教育基本法改悪をゆるさないとりくみは、戦後教育運動史上特筆すべき到達点を築きました。このとりくみをとおして、教育についての国民的討論が全国いたるところで大きくくりひろげられ、子どもを人間として大切にする教育をみんなの手でつくりあげよう、という機運がこれまでになく高まりました。同時に、この国民的討論をとおして、教育と憲法との切っても切れない大切な関係が学び合われました。また、教育といういとなみ自体のもつ力とすばらしさが確かめ合われました。そして、子どもの権利条約が憲法・教育基本法と響き合うものであることが、みんなの確信になってきたことも、すばらしい成果です。
教育基本法は改悪されても、憲法と教育のいとなみの力を土台にしてとりくみをすすめることによって、教育を前進させることができる、このことが多くのみなさんの確信になったのではないでしょうか。このことをふまえ、「教育のつどい2007」では、第1のテーマに、「憲法の精神にもとづき、子どもの権利条約を生かし、教育をみんなの力でつくりあげよう」とかかげました。あらためて、憲法のねうち、子どものすばらしさを確かめ合いましょう。
任期中の憲法改悪を公言する安倍内閣は、第166通常国会で、憲法9条改悪と地続きの改憲手続き法を強行しました。日本が過去におこなった侵略戦争を「自存自衛の戦争」「アジア解放の正義の戦争」という立場に立つ「靖国派」が政権中枢のほとんどを占める安倍内閣は、戦争国家づくりと一体にそれを支える国家体制づくりをねらい、安倍流「教育改革」をすすめようとしています。このようなとき、「教育のつどい2007」を被爆地ヒロシマで開催することのもつ意味は、大変大きいのではないでしょうか。「ノーモアヒロシマ! 世界から戦争をなくし、子どもたちとともに平和の文化を」というテーマをともに考え合い、深め合いたいと思います。
貧困と格差拡大が子どもの安心のよりどころである家庭を直撃しています。この経済的格差の進行が子どもの学習権も危うくする事態となっています。同時に、安倍内閣は、教育においても格差づくりをすすめようとしています。そのための手段が「全国一斉学力テスト」です。「全国一斉学力テスト」は、子どもたちへのいっそうの競争強化とともに、子どもと学校を序列化し、格差づくりをすすめるものにほかなりません。
大人たちが、子どもたちへの人間的な働きかけを強め、その成長・発達をはげますことが今ほど求められているときはありません。「『教育の格差づくり』ではなく、すべての子どもを人間として大切にする教育と学校を」というテーマにこめた願いを共有し、子どもの姿を語り合い、成長へのエネルギーを確かめ合いましょう。
子どもたちは、大人でさえ生きづらい世の中を精一杯に生きています。その中で、世の中のことや教育のことをしっかり考えています。教育基本法改悪をゆるさぬとりくみに自ら立ち上がった高校生、教職員が街頭でおこなった宣伝行動を見つめ、「先生、私たちにできることはないの?」と語りかけてきた中学生などの姿に、それははっきりとあらわれています。
安倍流「教育改革」をすすめる、子ども不信、人間不信にたった「教育再生会議」に未来はありません。子どもへの信頼、人間への信頼は、教育の前提です。
「教育のつどい2007」を子どもへの信頼あふれる集会として成功させようではありませんか。多くのみなさんのご参加を心をこめてよびかけます。
教育のつどい2007 テーマ
○ 憲法の精神にもとづき、子どもの権利条約を生かし、教育をみんなの力でつくりあげよう
○ 「教育の格差づくり」ではなく、すべての子どもを人間として大切にする教育と学校を
○ ノーモアヒロシマ!世界から戦争をなくし、子どもたちとともに平和の文化を
○ 平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立
○ 教え子を再び戦場に送るな
≪開会全体集会≫ 8月16日(木) 広島国際会議場
●代表委員あいさつ 米浦正「つどい」代表委員
●討論の呼びかけ 山口隆「つどい」事務局長
●渡辺えり子さん『未来をつくる――平和へのメッセージ――』
≪分科会 教科別、課題別≫ 8月17日(金)〜18日(土)※一部19日(日)
※本稿は、「教育のつどい2007」要綱からレポートの特徴と討論の組み立てについて紹介しています。⇒【分科会名を クリック!】
◆第 1分科会 国語教育 (廿日市交流プラザ)
◆第 2分科会 外国語教育 (南区民文化センター)
◆第 3分科会 社会科教育 (アステールプラザ)
◆第 4分科会 数学教育 (県立体育館)
◆第 5分科会 理科教育 (安芸区民文化センター)
◆第 6分科会 美術教育 (アステールプラザ)
◆第 7分科会 音楽教育 (アステールプラザ)
◆第 8分科会 書写・書教育 (アステールプラザ)
◆第 9分科会 技術・職業教育 (健康福祉センター)
◆第10分科会 家庭科教育 (健康福祉センター)
◆第11分科会 体育・健康・食教育 (健康福祉センター)
◆第12分科会 生活指導・自治的活動 (西区民文化センター)
◆第13分科会 発達・評価・学力問題 (廿日市交流プラザ)
◆第14分科会 障害児教育 (広島市社会福祉センター)
◆第15分科会 幼年教育と保育 (女性教育センター)
◆第16分科会 思春期・青年期の進路と教育 (弘法フォーラム)
◆第17分科会 両性の平等と教育 (女性教育センター)
◆第18分科会 子どもの人権と学校・地域・家庭 (いきいきプラザ)
◆第19分科会 平和と国際連帯の教育 (国際会議場)
◆第20分科会 学校づくりへの子どもの参加、父母・教職員・地域の共同 (ビューポート呉)
◆第21分科会 教育条件確立の運動 (南区地域福祉センター)
◆第22分科会 環境・公害問題と教育 (健康福祉センター)
◆第23分科会 文化創造と教育 (南区地域福祉センター)
◆第24分科会 教育課程・教科書 (国際会議場)
◆第25分科会 登校拒否・不登校の克服 (サンピア安芸)
◆第26分科会 国民のための学校づくり (ロードビル)
◆第27分科会 生活科・総合学習 (ロードビル)
◆第28分科会 今日の教育改革−その焦点と課題 (国際会議場)
◆特設分科会 「みんなで語ろう みんなでつくろう がっこう・へいわ・みらい」 (いきいきプラザ)
≪教育フォーラム≫ 8月19日(日)
最終日の19日には、「教育フォーラム」を開催。いまの日本の教育をめぐって焦点となっている学力問題や貧困と格差の問題など、重要ないくつかの課題について、父母・国民、教職員がともに学び、考え合う場として企画されたものです。
1 「全国一斉学力テスト」ってなんだったの?――どの子にも豊かな学力を (メモリアルホール)
○「学力テスト」について徹底検証しよう やり方はどうだったの? 中身はどうだったの?
○子どもたちにつけたい「学力」について考えよう
○どの子にも豊かな学力をつけるために今必要なこと
2 今の社会、ヘンじゃない?――貧困と格差が子どもを直撃する (健康福祉センター)
○給食費、授業料払えてる?
○就学援助の受給率などから、子どもたちの家庭の実態をあきらかにしよう
○今の「教育改革」は格差を拡大するのでは?
○ヨーロッパでは教育費無償が多いのに、なぜ日本は高いの?
3 人間らしく働きたい――青年の進路・就職・働き方を考えよう (南区民文化センター)
○卒業生の就職はどのような状況になっているの?
○今の若者の雇用・労働の実態はどうなっているの?
○教職員の働き方を考えよう
○若者の雇用問題は、どうすれば解決するの
4 大人が知らない子どもの世界――みんなで語ろう子どものこと (南区民文化センター)
○子どもたちの生活はどうなっているの?
○メディアとネットの世界は、どう子どもに影響しているのだろう
○子どもたちをはぐくむ地域とは?
○一人ひとりの子どもたちに丁寧に向き合える学校とは
5 こんな学校つくりたいな――子ども・父母・教職員といっしょに (広島国際会議場)
○子どもや父母が願う学校は?
○こんな先生だったらいいな
○みんなが願う学校はどうしたらできるか考えよう
6 考えよう私のまちの教育――あるんだ! こんな教育委員会も――まちづくりと教育を考えよう (広島国際会議場)
○教育委員会って何をするところか考えよう
○地方自治のあり方を考えよう
○独自のとりくみをしている教育委員会から学ぼう
○子どもを守る地域のとりくみから学ぼう
7 特別な教育的ニーズをもつ子どもたちは今 (アステールプラザ)
○すすめよう、どの子も大切にされる学校づくり
○障害児・者、父母のねがいから教育を考えよう
○特別支援教育って何なの?
8 教育をどう「再生」させようとするの?――「教育再生会議」がねらうもの
(県立体育館)
○安倍首相の教育観は?
○学校や子どもをどうしようとしているの?
○「幼稚園からの『規範意識』」がねらうもの
○「親学」・国の家庭訪問まで?
【みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい−教育研究全国集会2008(京都)】
【みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい−教育研究全国集会2005(広島)】
【みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい−教育研究全国集会2006(埼玉)】
【みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい−教育研究全国集会2005(大阪)】
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