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全教のとりくみ 交渉の冒頭、米浦委員長は政府・文部科学省が法案作成準備をすすめている教育改悪3法案についてふれ、この法案には子どもを苦しめ、教育を困難にする多くの問題点があることを指摘しました。 交渉では全教の重点要求について、以下のとおり文部科学省の回答が示されました。 全教:「人材確保法を堅持し、義務教育等教員特別手当を廃止しないこと。文科省実施の教員勤務実態調査に見合った、適正な教員賃金水準を維持すること。また、教職員の職種間における賃金格差を拡大しないこと」 文科省: 中教審答申では人材確保法の堅持が明記された。義務教育等教員特別手当についての取り扱いは未確定だが、政府からはメリハリある給与体系への見直しが宿題として出されている。 教職調整額のあり方の検討では、教員の勤務実態を反映した支給率に、という意見が複数出されており、今後政府部内のきびしい調整が必要になる。メリハリがあり、勤務実態を反映した給与のあり方を検討するということであれば、教員給与2・76%削減という閣議決定がされているが、削減のままですむのかとの文科相の発言もある。いったん削減しても、回復が必要になるのではないか。 全教:「教職員の勤務実態調査をふまえるとともに、教職調整額への格差の持ち込みをせず、給特法を改正し、労働基準法37条にもとづく時間外勤務手当、休日給を支給すること」 文科省: 文科省の教員の勤務実態調査では、月平均30時間の時間外勤務となっている。これについて、時間外勤務手当の支給で対応すべきという意見もあるが、教員の勤務の特殊性を考えると、時間外勤務の手当の支給はなじむのかというのが大半の意見だ。一律4%ではなく、メリハリのある内容にし、また、勤務実態を反映した改定を目指したい。 全教:「全国学力・学習状況調査」の実施は、子どもたちへのいっそうの競争強化と序列化、学校間格差づくりと学校間競争の激化を引き起こすものであり、中止すること」 「全国学力・学習状況調査」の実施において、子どもたちに組、出席番号、氏名の記名を求めることは、個人情報保護に照らして、大問題であり、重大な人権侵害を引き起こすおそれが強いものである。また、実施を民間企業に丸投げしていることから、民間企業が日本全国の小学校6年生と中学校3年生の子どもの個人情報をすべて独占することになり、これも重大問題である。子どもたちの個人情報保護の観点から、直ちに是正すること。 文科省: 学力テストは、児童・生徒の学習の到達状況を踏まえて、今後の教育の課題を明らかにし、政策の改善に役立てようとするものだ。学校間の格差が拡大しないように、学校ごとの調査結果についは公表しないというのが文科省の方針だ。児童・生徒の個人情報を保護するため、文部科学省としても万全の措置をとる。 全教:「教職員定数を削減せず、義務制第8次、高校第7次の定数改善計画を策定し、教職員定数を改善すること」 文科省: 文部科学省として8次定数改善計画の策定を目指したが、行政改革の流れの中で見送らざるをえなかった。立法府の判断で行革推進法が策定され、児童・生徒数の自然減をふまえた教職員の削減が求められている中で、「定数削減は間違っている」という国民の声が多数にならなければ、定数増の計画は打ち出せない。 そういう中でも、3カ年計画で食育と特別支援教育で定数改善をすすめている。また前回の勤務実態調査を実施した昭和40年当時と比較しても、時間外勤務は恒常化していることは認識している。 文科省は勤務実態調査を踏まえ、定数改善と同様の効果が期待できる措置を検討している。一つは、教育行政が学校現場にもとめる調査を見直すなど、教員のデスクワークの軽減の見直しを行うことだ。もう一つは、定数改善ではないが、予算措置も含め、学校への支援(サポート)体制をとれないかということだ。 定数改善による抜本的な解決を改めて要求 以上の文科省の見解にたいして、賃金・定数改善問題では全教は以下の再要求の発言を行いました。 「教育再生会議が、学校現場の実情を無視した勝手な議論をしていることに教職員はうんざりしている。そういう中で伊吹文科相が『2・76%カットしても、別途2・76%加算することも可能』と発言したことに注目しており、教員勤務実態調査を踏まえた適正な水準確保を期待する。『メリハリ』と称して、職務負荷で教職調整額にランク付けを持ち込むことは反対であり、筋からすれば、労基法にもとづき時間外手当を支給すべきである。教員の勤務の『特殊性』を、長時間勤務を容認する隠れ蓑にすることは許されない。教育活動の自主性が大切にされる学校にふさわしい時間外手当制度が大事である。職種間格差の問題では、教育職1級の低水準賃金の引き上げが課題だ。中教審答申でも教員の時間外勤務が常態化していると指摘しており、違法状態だ。すみやかな是正が求められており、定数改善による抜本的な問題解決が不可避である。新しい定数改善計画の概算要求に向けてのとりくみを要求する」 個人情報保護のための学テの実施方法 「最終的には、市町村の判断」 また全教は、全国一斉学力テストの実施にかかわって、悉皆で調査を実施すれば、必ず競争の強化と学校間格差の拡大が引き起こされるとして、あらためてテストの中止を要求しました。また学力テストの実施方法について、「旭川学力テスト最高裁判決では、『文部大臣が地教委にその義務の履行を求めたとしても、地教委は…独自の立場で判断し、決定する自由を有する』とされており、個人情報保護について、市町村教委が『氏名・個人番号対照方式』を採用した場合、文部科学省はこれをそのまま認める立場にあるはずである」と厳しく追及しました。これをめぐって、あれこれのやりとりがありましたが、文部科学省は、「最終的には市町村の判断」と回答しました。また締め切り日については一応13日としているが、無理な場合は16日としていることも明らかにしました。 >>【要求書 はコチラ!】 |
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