【交渉】2011/09/08
◆全教が「へき地教育振興法施行規則の改定など『地域主権』改革にかかわる要求」に関して文科省交渉
9月8日(木)、全教は「へき地教育振興法施行規則の改定など『地域主権』改革にかかわる要求」に関する文科省交渉を行いました。全教は、交渉で、各都道府県がへき地級地基準やへき地手当率を条例で定める際に、へき地における教育の水準の向上を図ることを目的としたへき地教育振興法の趣旨をふまえ、財政支出の縮減のために水準を引き下げることのないようにすることを省令の趣旨に明記することなどを要求しました。 全教からは磯崎副委員長をはじめ、今谷書記長、波岡中央執行委員、米田中央執行委員、日高教から坂本副委員長が参加し、へき地教育の水準を低下させることが絶対あってはならないという立場で交渉をすすめました。文科省は初中局財務課五十嵐給与企画係主任、同吉野義務教育費総括係員、同幼児課小畑企画係長が対応しました。
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磯崎副委員長はあいさつの中で、東日本大震災の被災地で、何重もの困難を抱えた児童生徒と学校に対し、手厚い国としての支えが求められていることを強調し、「地域主権改革」が、こうした国が果たすべき役割を後退させるものだと指摘しました。へき地の級地指定と手当の基準について、文部省令を改定するにあたり、教育の機会均等の趣旨に基づき、へき地における教育水準の向上を図ることを目的とするへき地教育振興法の趣旨を活かし、財政を理由とした後退がないようにすることを明記するよう求めました。
へき地の級地指定と手当の基準を「参酌すべき基準」として各都道府県が独自に条例で定めることについて、文部科学省側は、これが地方自治体からの要望であり、地方の裁量を認めることになるので、国による一律的な基準を押しつけることは困難だと述べました。同時に、へき地教育振興法の趣旨は重要であり継続的に地方には伝える、国の示す基準と異なる基準を設ける場合には説明責任があると回答しました。これに対し、全教は、へき地教育振興法の趣旨を改めて徹底し、文部科学省が示しているへき地級地を定めるうえでの尺度を無視し、財政支出の縮減のために水準を後退させることは認められないと重ねて要求しました。文科省担当者は、「真摯に受け止め、検討させていただく」と答えました。
市町村立幼稚園の設置廃止などの都道府県による認可制を届出制に変更したことについて、全教が子どもたちの教育保障が後退することのないようにすべきだと求めたことに対し、文部科学省は、市町村の合併により行政能力が高まったために届出制にしたと述べ、設置基準などは従来どうりで変更はないと答えました。
高校の収容定員基準の廃止については、全教が、地域の高校の存続を求める住民の声を無視し統廃合がすすめられているなか、これを加速することになる危険を指摘したのに対し、文部科学省は、少子化が進む中で本校にあっては240人(分校にあっては100人)を下回っても高校の配置を可能とし、地方の教育水準を維持・向上するための改定だと回答し、施行通知でその趣旨を書き入れることになると思うと述べました。