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全教のとりくみ詳細
高校無償化を維持・拡充し、給付制奨学金を実現せよ 「子どもたちの教育を受ける権利を保障する立場から、学校設置者を問わず高校授業料の完全無償化を実現すること」という要求に対して、文科省は「昨今の経済状況から制度の意義は大きい。従来の高校等奨学金の交付金や、都道府県高校生就学支援基金の活用などで支援している。今後も努力したい」と回答しました。全教今谷賢二書記長と波岡知朗中央執行委員からは「国会の3党協議など、心配な動きがある。国際人権規約の留保事項の撤回が議論されているが、無償化の拡充こそ必要。無償化に関わって、特別扶養控除の問題が課題として残っている」と指摘しました。文科省は「高校無償化の3党実務者協議でも、無償化自体は否定されていない。国際人権規約は官房国際課でとりまとめている。低所得で特定扶養控除を受けられない世帯は、減免制度を県の基金の執行の中で盛り込めるよう各県にお願いしている」と答えました。今谷書記長が「高校無償化を維持・拡充し、一日も早く給付制の奨学金を実現してほしい」と要求しました。 基本は定年延長で制度設計を 「雇用と年金との接続をすべての教職員に保障するため、定年制延長をおこなうこと。制度完成までの間、3年に一度生じる『定年退職者ゼロ』の翌年度に、国の責任で新規採用教職員を確保すること」という要求に対して、文科省は「国家公務員制度改革推進本部で、再任用の活用も含めて幅広く検討し、今月中に基本方針が決定されると聞いている。地方公務員も総務省を中心に検討されているが、文科省としても教育公務員について各教育委員会と連携して対応したい」と回答しました。全教蟹沢昭三書記次長からは「再任用制度ではなく、定年の延長を制度として確立できるよう、教育現場の特殊性を踏まえて文科省がイニシアチブを発揮すべき」と要望しました。文科省からは「気持ちはよく理解できる。学校現場が再任用でなく定年延長こそ必要と説明できる材料が必要。教育公務員の取り扱いについてベターなものを考えたい」と述べました。今谷書記長は「基本を定年延長において制度設計をはからなければ前に進めない。60歳を超えた職員を定数から除くことがなければ、新採用の問題など解決できない」と訴えました。 義務教育費国庫負担金削減するな 「国における削減措置が義務教育費国庫負担金および地方交付税の削減に連動しないよう、全力を尽くすこと」の要求に対して、文科省は「政府全体の地方公務員の給与の取り扱いの検討を踏まえて適切に対処する。総務大臣が地方に一律に反映させるような給与関係経費は考えていないという確認なので、同様の考え方で対応したい」と回答しました。これに対し北村委員長は、「昨年片山総務大臣は地方への影響は遮断すると明言した。総務省は現在もその答弁は生きていると確認した。その基本姿勢に立って対応すべき」と指摘しました。 文科省として時間外勤務問題打開の方策を 「現に存在している時間外勤務については、『振替』などで適切に調整すること」という要求に対し、文科省は「週休日の振替も含めて、勤務時間管理を服務監督権者である市町村教育委員会に適切に行って頂く必要がある」と回答しました。これに対して今谷書記長は、「全国の教職員にとっては看過できない状況にある。時間外勤務問題を服務監督権者のレベルで言うのは問題。超過勤務、過密勤務の問題をどうするのか文科省の考えを示すべき」と追求しました。文科省は「教職員の負担の軽減はきちんと図っていく必要がある。教育委員会や管理職に指導し、引き続きとりくんでいきたい」と答えました。 文科省として「パワハラ防止指針」の策定を 「文科省として『パワハラ防止指針』を定めるとともに、任命権者に対し、『パワハラ防止指針』の策定を促す通知を発出すること」の要求に対し、文科省は「セクハラ、パワハラのない職場をつくることは大変重要。市町村教育委員会にその防止に適切にとりくんでいただくことを期待している」と回答しました。これに対して小畑雅子中央執行委員は、「人事院のアンケート調査で、パワハラ防止対策が重要な課題と認識している省庁が97.1%となっている。厚労省のワーキンググループ報告でも、職場のパワハラ予防にはトップのメッセージと、ルールを決めることが大事であると明記されている。文科省がどういう態度を示すのかが重要。文科省として規定を作り、各都道府県に依頼していくことが学校現場では必要になっている」と述べました。文科省は「担当が人事課になるので、どういう考えか確認したい。いずれにしても今後何ができるか、よく研究したい」と答えました。 交渉の最後に北村委員長は、「昨年の交渉でもCEART勧告を最終のものと受け止めるとお答え頂いた。今後とも憲法と子どもの権利条約、ILOユネスコの教員に関する勧告に照らして文部行政をすすめていただきたい」と延べました。 |
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